怪奇大作戦の3話・白い顔で実験中に顔に負った大火傷の傷から
妻に逃げられたのがトラウマになって包帯で顔を隠し続け、娘にも
去られるのを恐れて近づく男達を自分の作ったレーザー銃で殺すと
いう水上博士を演じたのが森幹太である。
当初は森幹太という名前を聞いてもピンと来なかったのだが、調
べてみると円谷作品ではウルトラマンのジラース編でジラースを北
山湖で飼育していたモンスター博士こと中村博士を演じていた事が
分かった。
中村博士は恐竜にしびれてネス湖まで恐竜を捜しに出かけ行方不
明になったとされていた二階堂教授の仮の姿で変装を取ると別人に
なるわけだが、森氏の方出番が長く二階堂教授を演じた灰地順より
‘モンスター博士’として好演しておりジラースを攻撃しようとす
る科特隊の前に立ちはだかって自慢する姿などインパクトも強かった。
一方の水上博士も顔の大火傷以来箱根の山荘で隠遁生活を送り週末
のみに娘の順子が世話をするため帰宅するという生活を送っている
のだが、顔の火傷の跡を隠すため包帯で顔を覆い素顔を隠している
わけでヒゲ面とカツラで変装している中村博士と同じパターンでは
ないか。
しかもレーザーの権威だった事から山荘で開発したレーザー銃で
娘に近づく男を殺害して行くというのは完全なマッドサイエンティ
ストで、これまた北山湖でジラースを飼育していたのと見事に被る
のだ。
最終的に逮捕され連行される時に顔の包帯も外して初めて素顔を
晒すのだが、火傷の跡が特殊メイクされており森氏の素顔がジラー
ス編に続いてハッキリ分からないというのも共通点だろう。
こういう‘狂った’キャラを2作品にわたって演じたのは円谷系
作品では森氏しかいないのではないかと思われる。
マッドサイエンティストの法則として人里離れた場所で暮らして
おり、娘がいるというのがあるが、見事に水上博士は見事に嵌って
いるのだ。
ちなみに円谷作品では植村謙二郎が星人の人間体を2度演じており
最初はセブンでチブル星人の人間体、続いて帰ってきたウルトラマ
ンでメイツ星人の人間体を演じているのだが共に廃屋に住み着いて
いるという共通項があった。
となると森幹太が演じるキャラは変装して山奥に住んで怪しげな
研究をしているという共通項になるのだろう。