大谷翔平が勝てないのは‘エース依存症’にあり

ハム栗山監督、4敗目の大谷に頭悩ませる「問題大きい」「しっかり考える」
 
 ファイターズの大谷翔平が昨日のライオンズ戦でも6回5失点で
前週に続いて負け投手となり今シーズン早くも4敗目を喫し、20勝
をも期待されたにも拘わらず8試合登板で1勝4敗という状況だ。

 巷では‘肉体改造の失敗’とか‘162㌔の棒球’などという説が
飛び交っているし、栗山英樹監督も‘試合を支配しきれてない’
などといって奮起を促しているのだが見方を変えれば打線の援護
が少ないという要素を忘れてはならないだろう。

 基本的にエースはローテの1番手で登板するため相手エースとの
投げ合いになり少ない援護点でガマンしなければならないという
のが定説ではあるものの、大谷が登板した試合でファイターズが
上げた得点は最大で唯一の勝ちが付いたマリーンズ戦の8点で後は
7回途中でマウンドを降りたホークス戦の5点である。

 MLBでは6回を投げ切った間に3失点ならばクオリティスタートと
言われ合格点になっているが、最初の5試合は全てクオリティース
タートだったにも拘わらず打線の援護のなさが災いして勝ちが付
かなかった。

 勝ち負けは援護点の運・不運があるが、防御率は援護点が関係
ないので…と言うものの防御率が悪くても勝ちが付いていると
自信が付いて防御率も改善されるのに対して、好投すれども援護
なく勝ちが付かないと徐々に打たれ始める傾向が強いわけで最近
3試合で大谷が4失点以上し始めたのがいい例で投手にとって勝ち
が付く事がいかに大事か分かるだろう。

 日本の野球は報道を含めて投手に比重がかかり過ぎるきらいが
あるので0-1で負けると‘援護がなく不運’というより‘先に失
点してはダメ’という論調が根強いし、逆にいえば投手力が凄い
場合は打線が1~2点取ればいいと安心するケースが多々あるのだ。

 高校野球でも下級生投手で活躍したチームが翌年優勝投手が3年
になって経験も積んだはずなのに前年ほどではないケースが多々
あるのは、下級生投手だとバックも‘1点でも多く取って援護する’
という意識が強いのに対し結果を残した投手が3年になると‘必要
以上にエースに頼るようになるのが大きい。

 ファイターズの野手達が‘大谷が投げるなら1・2点取れば勝てる’
‘相手もエースだから得点は多く取れない’という意識が
援護点の少
なさにつながっていると思うし、首脳陣やマスコミも
多くが失点
した場面ばかり批判し点を取れなかった打線に対する
批判は少ない
という事が好投すれども援護なし状態を加速して
いると思うのだ。

 ちなみに14連勝中のバンデンハークが登板した試合でホークスは
少なくとも2点は取っているし、5月3日のファイターズ戦のように
勝ちはつかなかったものの7回まで4失点しながら‘負けを付けるな’
とバックが奮起し同点に追い付いて逆転勝ちした試合もあっての
もの。

 つまり打線が進化した最近の野球では例え絶対エースが登板する
試合でも最低4・5点は取らないといけないという意識を野手達が
持つ必要があるのではないだろうか。

 
 

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