理想主義に拘り過ぎた男の末路=アラビアのロレンス

 先週BSプレミアムでアラビアのロレンスがOAされており、見て
いて実感したのが理想主義に拘り過ぎると上手く行かないという
もの。

 アラビアのロレンスは高校生だった40年ほど前に初めて見てか
ら何度も見ているのだが、当初は壮大な砂漠の映像と戦闘シーン
などを見どころにしていた。

 しかし何度も見ていて思ったのがアラブと砂漠文化に惚れ込んだ
ロレンスの姿勢でアラブ民族の主義を貫こうとするあまり、それが
混乱を助長して収拾がつかなくなり最終的にアラブから離れなけれ
ればならなくなるという皮肉な結末を迎えるわけだ。

 前半はアラブ民族に自治をという理想に燃えてアラブ人と共にゲ
リラ戦を展開し、トルコ軍を掃討すると共にダマスカスを攻略する
まではよかったが直後の部族の自治会議では部族達が自らの意見を
主張するばかりで全くまとまらず苦悩する姿が印象的。

 最終的に頼みとしていたファイサル王子から上手く利用されてい
たというだけで、用済み的な扱いで大佐に昇進したのと引き換えに
アラブを去らなければならないという形で帰国するハメになるのが
何とも無情観を覚えたものだった。

 考えてみれば少しばかり違うのかもしれないが源義経が自らの兄
・頼朝の命を受け平家打倒を果たすと共に理想に燃えていたものの、
それを後白河法皇に利用され頼朝と対立するハメになり最後は悲劇
の武将という形になるわけで後白河法皇とファイサル王子のキャラ
が被るのだ。

 こうしてみると理想に燃えるのは結構だが理想に走り過ぎると、
必ず何者かに利用された挙句使い捨てられやすいんという事が分か
るの現実を受け入れるという事も大事だと実感するのだった。

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