私がTVドラマで初めて転送という言葉を知ったのはスタートレッ
クで、カーク船長をはじめとしたエンタープライズ号のクルーが転
送光線を受けて一気に移動するシーンを見て驚いたものだった。
また怪奇大作戦の名作・京都買いますでも仏像がカドミウム光線
によって転送されるシーンが印象深い。
しかし最も転送という言葉が本来なら強調されるべきは宇宙猿人
ゴリに登場するヒーローのスペクトルマンで、彼の変身そのものが
ネビュラ71から転送されたマスクをはじめプロテクターなどを装着
するものでウルトラヒーローや仮面ライダーなどのような‘変身’
とは本来ひと味違うものだったのだ。
スペクトルマンの場合は変身時よりも むしろ戦闘時に武器を転送
してもらうケースが印象深い。
肘にドリルと剣を装着した怪獣ギラギンド相手に苦戦するスペク
トルマンにネビュラ71から剣と盾が転送され、盾はドリルで破壊さ
れたものの剣でギラギンドの首を切断して倒している。
またサタンキング戦では完敗した後に通常のミサイルの数百倍の
威力を持つスペクトルガンが転送されたが、使いこなすために山奥
で射撃訓練をするハメになる。
ちなみにサラマンダー戦では口から発射する火炎で目を焼かれて
視力を失うが、電気の高圧鉄線に触れて火炎でマスクの融かされた
箇所を電気メスのような形で削り取り視力を回復するというシーン
がある。
これなどマスクを装着するスペクトルマンならではのシーンで、
ウルトラヒーローではできないシーンではないかと思うのだ。