ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
機動力野球考
今日行われたMLBのタンパ対ボストン戦で1-4と3点リードされていた
タンパが7回裏に一挙6点を挙げて7-6で逆転勝ちして、松坂大輔の10
勝目を阻むと共に対ボストン3連勝を飾り東地区首位をキープした。
この試合のターニングポイントは、7回裏に先頭のバートレットが 2ベース
を放って出塁し岩村明憲のカウント1-2から 3塁に盗塁成功。
直後に岩村が1,2塁間に内野安打を放って1点を返すと、それから流れが
タンパになり押し出しやタイムリー2ベースなどで 6点入ったのだ。
実はこの試合を解説していた元ライオンズ監督の伊東勤が ‘3点リード
された場面で3盗を狙うなど考えられない’という趣旨のコメントをしていた。
‘ハァ~・・・・・だから日本野球はダメなんだ’
とこのコメントを聞いてガッカリした。
タンパは機動力を看板にしたチーム。
だから対戦相手はランナーを出すと‘走られるかもしれない’ と心理的な
プレッシャーをかけられ打者に対する集中力が欠けたり、球種もストレート
系が増えやすい。
反対に盗塁を仕かけるという事はアウトになるとランナーがなくなる諸刃
の刃でありギャンブルである。
だから1点差だろうが、5点リードされていようが盗塁を仕かけるのが当然
なのだ。
忘れられないのが97年9月21日に東京ドームで行われたファイターズ対
ホークス戦。
5回まで1-4とリードされていたホークスは、6回に先頭の村松有人が
ヒットで出塁すると続く浜名千広の時に盗塁を仕かけてアウトになりプロ
野球OBやベンチからも非難を浴びた。
これには腹が立った。
というのも当時のホークスは村松・浜名の1,2番の機動力をウリにして
いた。
対戦相手にしてみると‘3点リードしているから走っては来ないだろう’と
考えやすいので盗塁成功の確率は高い。
ノーアウト2塁になれば浜名、秋山の内野ゴロで1点入る確率は高いし、
2点差になれば残り3イニングでランナー1人出ればHRで一気に同点に
なる。
だから村松がアウトになったのは、ある意味
運が悪かったのだ。
にも拘らず1人として村松の勇気あるチャレンジを褒めるOBは、いな
かった。
リードしているか1点ビハインドまでのケースなら誰でも盗塁を
仕かける事ができる。
しかしランナーを溜めないといけない場面で
盗塁できるかどうかで、機動力野球の
真価が問われるのだ。
つまりランナーを溜めないといけない場面で走れないのは
‘エセ機動力野球’
という事である。
ホンモノの機動力野球は、タンパやセントルイスのように何点リードされ
ていても盗塁を仕かけるものなのだから。
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あるアメリカ人の
「日本の野球なんて邪道だよ。野球じゃないよ。」
と言う趣旨の発言です。
これを聞いて
「同じようなことをどこかで聞いたことがあるなぁ・・・」
と思ってたら、ピンとひらめきました。
日本人がヨーロッパ人の柔道を見て全く同じ事を行ってるんですよね。
要するに何が言いたいかと言うと、それぞれの国にそれぞれのスタイルが存在するのは悪くないんじゃないか?と言うこと。
ただ、野球(ラグビー、柔道などもですが)に関して言えば「日本独特のスタイル」は全く問題ないと思いますが、どうしてもその「スタイル」に縛られて思考停止に陥っている関係者が多いのが本当に嫌気が差しますね。
日本人の悪いところですね、唯物論に陥るのは。
どうしても多様な価値観を認めようとしないのです。
戦術には国柄が出ますので、それを一々否定していたらキリがないですよ。