長谷川穂積を狂わせたもの

長谷川、進退明言せず=山下会長は引退示唆―ボクシング(時事通信) - goo ニュース

 昨日行われたIBF:Sバンタム級タイトルマッチで日本人初の3
階級制覇を狙った長谷川穂積が、王者のキコ・マルチネスに7R
TKO負けしてタイトル奪取に失敗した。

 正直言って王者のマルチネスは長谷川がモンティエルと戦った
頃ならKOもしくは判定でも大差で勝てる相手だったし、実際に
2Rにダウンはしたものの後半しっかり挽回できると思っていたの
だが一番やってはいけない正面からの打ち合いに応じてしまった
形だ。

 長谷川が14度防衛中のウィラポンに判定勝ちしてタイトルを
奪取した時にはスピードを生かしポイントをピックアップして
勝つスタイルだった事からKO勝ちは5に過ぎなかった。

 ところが王者になってからスピードだけでなく相手のパンチを
かわしざま見事なカウンターを打ち込むスタイルに変貌し、特に
タフなウィラポンを右フック一発のカウンターでKO勝ちした
リターンマッチは長谷川のベストバウトだろう。

 長谷川が王者になった頃の日本の世界王者は川嶋勝重と新井田
豊に高山勝成の3人だったが‘○○とKOはセット’と怪気炎を上げ
て噛ませ犬ばかりを倒していた某一家の方が世間の話題をさらって
いた。

 世界タイトルを奪取した頃には‘地味な王者でいい’とコメント
していたのだが2度目の防衛戦でウィラポンをKOしてから覚醒した
ような感じで3度目から5度目までは判定勝ちが続くものの内容的
には圧勝だったし、6度目からは5連続で4Rまでに倒すという凄
みを備えてきた。

 ただ それとは裏腹に早い回で倒していたから見過ごされていた
のが減量苦からくるスピードの衰えで、ウィラポンとの再戦で披露
した完成度の高いスタイルが崩れ力づくで倒すスタイルになって
しまっていた。

 その理由として‘日本のエース’とマスコミから持ち上げられた
ゆえ、ボクシング人気を少しでも上げるため少々のリスクを負って
でも倒しにいくスタイルになったのかもしれない。

 そこを突かれたのがWBO王者フェルナンド・モンティエル戦やジョ
ニー・ゴンサレス戦で、共に3Rまで優勢に試合を進めながら4Rに
瞬の隙を見せたばかりに倒されてしまう。

 またファン・カルロス・ブルゴスに判定勝ちし2階級制覇を達成
した試合でも正面から無謀に打ち合うばかりで‘防衛戦でコレを
やったらマズい‘と思っていたら同じような展開で臨みKO負けで
初防衛に失敗した。

 たしかに減量苦から来るスピードの衰えもあるだろうが、マス
ゴミの無責任なKO礼讃が長谷川のスタイルを崩してしまったの
かもしれない。

 それを考えると何とも惜しい話である。

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