今から40年前の帰ってきたウルトラマンの38話・ウルトラの星光る時でピンチ
に陥ったウルトラマンを初代ウルトラマンとセブンが救出に来るのだが、これこそ
‘ウルトラ兄弟’という設定が最初に使われたEPになっている。
このEPの脚本を担当したのがメインライターの上原正三で、翌年のエースでも
5話のアリブンタ編でゾフィが初めて敵と戦うEPを担当している。
さてウルトラ兄弟の共闘というのは ある意味かなりの重みを持った事だから、
本来なら何度もやっていたら ありがたみがなくなるというリスクがある。
ウルトラの星光る時ではナックル星人にセブンのガッツ星人同様ウルトラマン
を倒す事で地球人の心の拠り所をなくして戦意喪失に追い込もうという狙いが
あり、そのためにシーゴラスやベムスターを使ってウルトラマンのデータを取る。
ただでさえ技を完全に研究され尽くしたのに郷秀樹の心の拠り所である恋人の
アキと師匠の坂田健を轢殺されて心を乱して怒りに燃え冷静さを失ったための
敗北だった。
更にナックル星に連行されているのでMATを含めた地球人は手の出しようが
ないという事になるからギリギリまで追い込まれていたわけで、ウルトラ兄弟が
救出に来なければ終わりだったわけである。
つまりウルトラ兄弟の共演は このEPぐらいピンチに追い込まれなければ意味が
ないという事を示していたのだと思うのだが、エースからウルトラ兄弟を全面に
押し出したため共闘が増えて嬉しかった反面エースが頼りないというイメージと
本来自らの番組内で無敵のウルトラ戦士が意外に弱かったりするのも兄弟共演の
弊害だろう。
やはりウルトラ兄弟の共演は主役がギリギリまで追い込まれる事が条件になると
思うのだ。