日本映画の2大怪獣といえばゴジラとガメラというのは間違い
ないだろうが両者の武器はゴジラが放射能熱線で、ガメラは火炎
放射とシンプルなのも共通点である。
面白いのが両者の武器である放射能熱線や火炎放射は昭和の時代
では必殺技になってないという事。
ゴジラの熱線は最初のアンギラス戦ではあくまでとどめ的な形
だったしキングコングを圧倒しても帯電体質になったコングには
通じず、モスラやキングギドラを倒すどころかラドンに至近距離
から浴びせても大した影響は受けてなかった。
威力的にはメカゴジラが目から発射するスペースビームで相殺
されるぐらいの威力だったのではないかと思うし、むしろ70年代に
入るとヘドラ戦で空を飛ぶ時に使ったというのが印象深い。
ガメラの火炎放射も然りでバルゴンの冷凍ガスの前に圧倒されて
いるし、ギャオスの消火ガスでしっかりと鎮火されてしまうぐらい
だから必殺技にはなりえなかった。
実際バルゴンは琵琶湖に、ギャオスは富士山に引きずり込んで倒す
しバイラスは成層圏まで上昇して倒すなど火炎放射が決め技になった
のは最後のジグラぐらいだろう。
ゴジラは基本的に肉弾戦でガメラは敵の弱点を利用して勝っていた
わけで、放射能熱線や火炎放射のみで倒すというのは珍しかったのだ。
ところが平成に入ると84ゴジラでは埠頭でゴジラを迎撃した戦車
群を一気に焼き払うぐらいパワーアップし必殺技に相応しい威力を
見せたし、ガメラもプラズマ火球という名に変わって昭和とは比べ物
にならないぐらいの威力を発揮したのだった。
これは敵がパワーアップしたゆえの事だろうし映像技術も発達し、
怪獣同士のプロレスまがいの肉弾戦が平成に入り否定されたという
事もあるかもしれない。