セ・リーグで珍事、全球団貯金ゼロ 交流戦負け越し響く
プロ野球セ・リーグは昨日ジャイアンツがベイスターズに敗れて
タイガースがカープと引き分けたため、何とジャイアンツは勝率5割
での首位という異例の事態になった。
1位のジャイアンツから最下位のスワローズまでが実に2,5ゲーム
差というのだから‘混セ’と本来なら盛り上がるはずだろうが、勝率
5割のチームが首位では恥を晒すようなものでセ・リーグの地盤沈
下を象徴する事例だろう。
そろそろ連敗が止まる頃とはいえ12連敗中のベイスターズ相手に
相川の2ランで挙げた2点のみで、さして好調とは思えない相手投手
陣に2度のノーアウト2塁で得点できず最後は1点を惜しんで逆転
されるという最悪の展開を招いたジャイアンツに首位チームの貫禄は
ない。
ちなみにジャイアンツは交流戦中の今月4日に+9まで伸ばしなが
ら、ホークス戦3連敗を皮切りに後半は1勝8敗と失速して調子を落
すと交流戦明けもドラゴンズに負け越すなど失速という言葉が見事に
嵌っている。
こうしてみるとジャイアンツは交流戦の負け越しショックで自信
喪失しているようだし、他のチームからはナメられている感じだ。
とりあえずセ・リーグでは3連覇しているものの13年はイーグル
スから日本シリーズで敗れると、昨年はCSでタイガーズに4連敗し
日本シリーズに出場できず今シーズンも交流戦で負け越しているので
王者のオーラがなくなるのは必至だろう。
セ・リーグは良くも悪くもジャイアンツが引っ張ってきたリーグな
ので金にあかせて他チームの主力選手達を引き抜いて大型チームを
作っても、それがジャイアンツを倒そうという他チームのモチベー
ションを喚起する形になりリーグのレベルを押し上げていたというの
も事実。
それが ここ数年では生え抜きスターの育成という路線に転換した
ものの、大田泰示の伸び悩みに象徴されるように育成能力の無さを
露呈し最近では原監督のやり繰りで何とか勝っているという形だが
明らかにスケールは落ちているので先述したような惨状となったの
ではないか。
89年にレギュラーシーズンを独走し日本シリーズでも3連敗から
4連勝して、90年も9月7日に史上最速でリーグ優勝した藤田ジャイ
アンツは日本シリーズでライオンズに4連敗という惨敗を喫すると
自信を喪失したかのように3年連続でリーグ優勝を逃している。
勝者のメンタリティを取り戻したのは94年に10,8決戦で勝った
勢いで日本シリーズでもライオンズに雪辱してからだが、実はこの
シーズンも6月まで+20での独走から7月以降の大失速で10,8決戦に
なったもので一旦失った自信を取り戻すというのは難しい。
セ・リーグ再建のためにはジャイアンツが以前のように大型戦力を
整備していくか、タイガースなど資金力のあるライバルチームが
ジャイアンツに替わってリーダーとして躍り出るかしないと今
のままでは厳しいだろう。