アメリカ・ボクシング界の真実を知った80、8、2

 先日も記したように40年前の8月2日(日本時間の3日)にデト
ロイトで行われたWBA:Jライト級タイトルマッチで、上原康恒
が王者サムエル・セラノを6Rに右一発で逆転KO勝ちし世界タイ
トルを奪取した。

 実は試合結果を報じる4日は新聞休刊日で夕刊に結果が載って
いたのだが、いきなり‘上原タイトル奪取’という記事が写真付き
で掲載されていた。

 ところが背景の客席を見ると閑散としており意外に思ったし、
結果を載せた専門誌を見ても会場の客席全体が閑散としている
のだから‘世界戦なのに’と驚いたものだ。

 実はセラノー上原戦は当時としては珍しいトリプル世界戦の1つ
として行われたわけで、メインはデトロイト出身で後に5階級を制
覇するトーマス・ハーンズが11度防衛中だった王者ホセ・クエバ
スに挑戦するWBAウエルター級タイトルマッチ。

 他にハーンズのジムメイトだったWBAライト級王者ヒルマ―・
ケンティの防衛戦が入っていた形で、セラノー上原戦は開催地で
もめていた両陣営にデトロイトのプロモーターが働きかけたもの。

 当時の専門誌で評論を書いていた下田辰夫氏がトリプルタイト
ルマッチの実際を記しており、実際にポスターを見るとメインに
登場するクエバスとハーンズの写真などは大々的に記されている
ものの他の2試合は小さく横並びで記されておりセミ・ファイナル
にはヘビー級のノンタイトルで元王者のケン・ノートンと若手の
ホープだったランディ・コップ戦の方が写真こそないが大きく書
かれていたのだ。

 そして全米中継だったのはセミ・ファイナルのヘビー級ノンタ
イトル戦からで、メインのウエルター級タイトルマッチが終わる
と全米中継がなくなりケンティの防衛戦と最後にセラノー上原戦
というタイムテーブルだったらしい。

 それで観客席が閑散としていたのかと実感したしアメリカでは
ノンタイトルでもヘビー級の試合の方が中量級以下の階級の世界
戦よりも人気だというのを実感したし、まぁ考えてみればジュニ
アが付くタイトルでプエルトリコ人と日本人の世界戦など目の肥
えたデトロイト市民には不満だらけだったろうから全米中継がな
くなったのも理解できるのだ。

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