戦闘場面が少ないセブン

 第1期ウルトラシリーズのメインターゲットは子供ではあったが
大人が見ても楽しめる作品が多く、特にウルトラQとセブンはその
傾向が強かった。

 ただ特撮作品は もともと経費がかかるのに監修の円谷英二のチェ
ックが厳しく予算不足に悩まされていたわけで、特にセブンはその
傾向が強くセブンの戦闘場面が少ないEPや異形の敵キャラが登場し
ないEPが目立っている。

 異形の敵キャラが登場しない作品というのは平成までのウルトラを
見てもセブンぐらいで、それだけ脚本家の力量が問われる事になった
わけだが多彩なライター達がそれをカバーしたという感じだ。

 子供の頃はヒーローが怪獣や異形の宇宙人と激闘を繰り広げるの
を楽しみにしているのでセブンのように戦闘シーンがほとんどない
のは辛いものがあるのに対し、大人になって見るとむしろ戦闘シー
ンが少ないEPの方が内容的にも面白いし味わいもあるわけで何が
幸いするか分からない。

 戦争ドラマの名作といわれたコンバットやSFドラマの名作・謎の
円盤UFOなども戦闘シーン以上に人間ドラマの部分が面白く、戦闘
シーンは少なくても子供達ですら文句は出なかった。

 ところがミラーマンの頃になると防衛組織・SGMが分析チームと
いう要素を含めてウルトラよりも上の世代をターゲットにしていた
のに、怪獣ブーム真っ只中という事からテコ入れが入りSGMが3機
分離合体する大型戦闘機・ジャンボフェニックスに搭乗して戦うと
いう形で独自性が消されていった。

 結果的にセブンは厳しい予算内で製作されたため異形の宇宙人が
登場しなかったり派手な戦闘シーンがないなどの要素からウルトラ
Qやウルトラマンよりも視聴率的には苦戦したのだが、それゆえに
ドラマ部分では見応えのあるEPが多く今でも名作といわれている
のを考えると潤沢な予算があれば名作が作れるわけではないという
事を証明している。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
マイティジャック (柴田真紀)
2018-02-28 21:51:24
予算が潤沢にあったのに失敗した例は、なんといってもマイティジャックですよね。映像ソフト等できちんと見ることができない時代は、「神格化」されていた部分が多いですが、今の目で見ると、失敗作であったと言わざるを得ないでしょう。
個人的には11人いるメンバーそれぞれも嫌いではないし、天田は『セブン』のクラタなんかより断然好きなので、もう少しなんとかならなかったのか、と悔しい思いです。
 
 
 
そうなのですよね (こーじ)
2018-02-28 23:20:51
>柴田真紀様
 私も全13話見た時は‘これは子供には厳しい’と思ってしまいました。

 なにせB級アクション作品という感じでしたからね。

 祖国よ永遠なれや爆破指令に地獄への案内者などは悪くないのですが、怪飛行船作戦などは平田昭彦が出演しているのに’?‘状態でしたから。

 ただ二谷英明があまり特撮モノ好きではなかったようで、こういうのも影響しているのかもしれませんね。
 
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