相変わらず勝敗の原因を投手関係ばかりに集中させる野球メディア

侍ジャパン、痛恨の9回逆転負け 小久保監督「僕の継投ミス」

 昨日行われた野球プレミア12の準決勝で日本代表は韓国相手に
8回まで3-0とリードしながら9回に4点を取られて逆転負けを
喫し優勝を逃す形になった。

 マスコミは例によって継投ミスばかりを敗因に挙げているのだが、
個人的には7回と8回にあったチャンスで追加点を奪えなかった事も
韓国を生き返らせてしまったと考えている。

 特に7回はノーアウト1・2塁で4番以下が凡退して追加点を奪え
なかったわけだが、この件に触れているのは今のところスポナビの
井口資仁ぐらいしかなく勝敗のポイントを投手を含めた守りにばか
り焦点を当て過ぎではないかと思うのだ。

 どうしても日本人の野球観は‘投手を含めた守りが全て'という
考えが宗教の如く蔓延っており、野球を長く見てきた人達ほどその
考えは強いのが特徴だ。

 松坂大輔が06年のMLBでの1年目にボストンでの本拠地初登板で
シアトル相手に2回の3失点以降は7回まで無失点に抑えたものの
打線がフェリックス・フェルナンデスを打てずに負け投手になった
試合を‘松坂は2回に3失点し敗戦投手になったが3回以降は素晴ら
しい投球をしたので2安打に抑えられた打線の責任’とアメリカのメデ
ィアが賞賛したのに対し、日本では‘いくら3点以内に抑えても相手
エースとの投げ合いで先に点をやったらダメ’という論調だったの
など典型だろう。

 野球という競技は点をやらなければ負けない反面 点を取らないと
勝てないわけだが、日本的な野球に対するスタンスは極端な話‘投
手におんぶに抱っこ’というもので先発投手が完封ペースで投げてい
ると3点ぐらい取った時点で逃げ切りモードに入る傾向が強い。

 昨日の韓国戦でも大谷の好投やリリーフの則本の安定感を考えれば
‘3点あれば十分’という安心感がスタンドだけでなくベンチにも
あったように思えてならない。

 しかし予選リーグでは結果は5-0だったものの9回のノーアウト
満塁のピンチを招くなど受身に回り‘5点あったから助かった’状態
だったのを忘れているとしか思えず、何が何でも4点目&5点目を取
ろうという雰囲気が見えてこなかったのも事実。

 最近の野球では両投手が火の出るような投げ合いをし先に1点を
取った方が勝ちというような試合は そうそう見られないのが現実で、
日本が優勝したWBCなどでも1-0で勝った試合はない。

 すなわち‘○○が好投しているので○点取ったから大丈夫’と
いう考えは特に国際試合では通用しないという事。

 日本の野球に対する考えや報道も投手ばかりに焦点を当てるので
はなく総合的な視点からゲームを論評しないと真のレベルアップは
ないのではないかと思うのだ。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
なんかわからないうちに終わってた (柴田真紀)
2015-11-21 23:08:03
8回オモテ、則本が三者凡退にしとめたあと、クレジットカードの退会手続などをはじめてしまい、TVの音声を消していた。(恥ずかしながら、私もここで『勝つ』と安心しておりました)
やっと手続が終了して、何気なくTVを見たら、
ノーアウト満塁
 あっというまに逆転…。
悪夢でしたね~。

かつて、みんなの嫌いなH岡T郎氏が、
「野球は5点とって安全圏」
 と言っていたのは、まったく至言だったと。
 
 
 
意外にも (こーじ)
2015-11-22 22:56:54
>柴田真紀様
 そのH岡氏の発言は意外にも真実を語る事も1/3はありますし‘喝’氏よりはまともな事を言っているので侮れません。

 まぁプレミア12は高校野球でいえば春の選抜で、WBCこそ夏の甲子園ですから本番前に貴重な体験ができたという事でしょうか。
 
 
 
臨機応変な采配を (GOSIN)
2015-11-23 23:02:31
確かに追加点が奪えないところで嫌な予感はしていましたね。
大谷、則本なら3点あれば大丈夫という安心感はありました。
打線も3点目以降はどうも淡泊に見えてしまって・・。
状況に応じてバント等で1点を取りに行く采配もありませんでした。

まあ良い薬になったと信じて、WBCでは頑張ってもらいたいですね。
 
 
 
最近は高校野球でも (こーじ)
2015-11-24 23:53:49
>GOSHIN様
 最近は高校野球でも勝負が付いたと思われると淡白な攻撃で‘試合を閉じる’という雰囲気がありますが、やはり国際試合ですから3点では厳しいと思うのですがね。

 とりあえずプレミア12は高校野球では春の選抜という
感じで、WBCが夏の甲子園のようなものですからね。
 
 そういう意味ではWBCでこの失敗を繰り返さないことですね。
 
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