名優・緒形 拳を偲ぶ

　今朝スポーツ紙を見ると1面に「緒形拳 急死」という見出しが踊っていた。
「柔道の石井慧が総合格闘技に転向」という記事あたりが1面か? と思って
いただけに、緒形拳死去の見出しには驚愕した。
‘たしかゲゲゲの鬼太郎の実写版で、ぬらりひょん役で出演していた
よな・・・・やけに早かったな！’と思ったのだ。

　夕方になって「99年頃から肝臓ガンになっていた」という記事があった
ので‘そういう事だったのか’とは思った。

 　私が緒形拳という俳優の存在を知ったのは76年の大河ドラマ・
‘風と雲と虹と’で藤原純友役を演じていたときだ。
　加藤剛演じる平将門と京で知り合うという設定だったが、加藤剛と同格
の貫禄があった。

　その後ドラマでは第2期・森村誠一シリーズの‘青春の証明’で主役の
老刑事を演じていたが、若い頃と老けている現在を全く同じ人物とは
思えないぐらい演じきっていたのが印象的だ。　

　映画でも話題の大作には必ずと言っていいぐらい出演していた。
　いい役は当然ながら、クセのある悪役を演じていた時の方がいい味を
出していたと思う。

　また‘青春の証明’ではないが、演じる人物の若い頃と現在を遜色なく
演じきれる演技力は凄いものがあるし、実生活では堅物で通っていた
のに好色な女好きの役をもきっちりこなせていた。

　まさしく名優と呼ばれるだけの事は

あると思った。

　ご冥福を お祈りします。