これからの山中慎介に必要なのは

 先週リボリオ・ソリスとの防衛戦で3Rに2度のダウンを喫しな
がら残りのラウンドをほぼ支配し、10度目の防衛に成功した山中
慎介への評価が今ひとつ捗々しくない。

 山中といえば‘神の左’といわれる左ストレートを中心にKOの
山を築いて防衛を続けていたのだが昨年9月のアンセルモ・モレノ
戦が判定勝ちではあったものの際どい勝利だったのに続き、ソリス
戦では‘あわやKO負け’というシーンがあった事から‘山中衰え
たり’という評価になっているようだ。

 ただ個人的に山中の苦戦は衰えではなく11年の11月にタイトルを
獲得以来、4年4か月もの長期にわたって防衛を続けている事による
‘防衛疲れ’というのが原因だと思うのだ。

 4年4か月といえば13度の防衛に成功した具志堅用高が4年5か月と
いう在位期間と同じでストレスも溜まってくるだろうし、下手な
挑戦者相手の防衛戦はモチベーションを保つのが難しくなるのは
仕方ない。

 つまり最近のボクシング界では防衛数に拘るのではなく、いかに
強い相手と戦うかという価値観が主流になっているので山中にして
みるとラスベガスで強豪相手に戦いたいという希望があるのは当然
だしアメリカでの評価も高いというのもアメリカ進出への思いに
拍車がかかっているのだろう。

 ジム側も山中のモチベーションを保てるようにビッグ・ダルチニ
アンを皮切りにトマス・ロハスやマルコム・ツニャカオなどの元
世界王者達を防衛戦の相手に選んでいるし、特に9月のアンセルモ
・モレノ戦は強敵中の強敵だった。

 今回のソリスも元Sフライ級王者で河野公平などに勝ってはいる
ものの3年前の12月には体重オーバー問題を起こしているので巷の
評価は‘何ラウンドで倒すか’という楽勝モードになっていたのも
事実だし、山中サイドにしてみるとモレノという難敵に勝った直後
だから多少気が緩むだけでなく準地元の京都開催という要素も変な
力みにつながっている。

 しかも長く防衛している事から挑戦者達からは徹底的に分析され
ているわけで、そんな中でダウンを2度奪われた3R以外をほぼ支配
しての大差の判定勝ちというのは逆に言えば凄い事。

 それを考えると帝拳ジムにはモチベーションをしっかりと保てる
敵地でも構わないので、他団体の王者との統一戦などを手がけて欲
しいものだ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« アニメ版デビ... 今年は息子達... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。