琴奨菊が休場=左膝の古傷など理由―大相撲名古屋場所
大関の琴奨菊が古傷の両膝痛と左足首痛のため7日目の今日から
休場となった。
今場所の琴奨菊は初日から4連敗を喫し5日目こそ御嶽海には
勝ったものの6日目の昨日も隠岐の海に敗れて1勝5敗になって
おり、上位陣との対戦が組まれる後半戦を控えて勝ち越しは絶望
的だったので来場所のカド番脱出という事を考慮すれば今回の休
場は仕方ないだろう。
それにしても初場所で栃東以来の日本出身力士優勝を飾り一躍
日本人横綱候補に上がりながら、僅か3場所目で負け越してカド
番転落なのだから分からないもの。
今場所は初日に栃煌山を押し込みながら敗れて以来 流れに乗れ
てない取り口で、押し込む時の重心も高かったことから膝辺りが
悪いのかと思っていたら案の定だった。
もともと琴奨菊のような押し相撲の力士は前半で調子に乗ると
手が付けられない活躍をする反面、今場所のように流れに乗り損
ねると意外な脆さを曝け出す傾向が強く安定面に欠けるので押し
相撲一本で横綱昇進する可能性は低い。
だからこそ初場所で優勝して一気に横綱昇進の声がかかった
ものの今ひとつ釈然としなかったのは先場所まで大関に昇進後
28場所で2桁勝利が9場所に対して、カド番も5度あるわけだ
から仮に首尾よく春場所で横綱に昇進しても却って力士寿命を
縮めかねないという懸念材料があったわけだ。
初場所の優勝後は春場所が途中まで8勝1敗だったのが終盤
崩れて6連敗し8勝7敗に終わり夏場所は10勝5敗で2桁勝
ったものの、優勝争いを常に義務付けられる横綱だと厳しいと
実感していたものだ。
それを考えると周囲からとやかく言われながらも優勝してない
以外は、優勝争いに絡める確率の高い稀勢の里が日本出身力士の
横綱候補といわれるのが分かる。