初優勝の栃ノ心 千秋楽を白星で飾る 初の殊勲賞、2度目の技能賞に
今年の大相撲初場所は昨日の14日目に千秋楽を待たずして優勝
を決めた平幕の栃ノ心が、遠藤にも押し出しで勝って14勝1敗で
有終の美を飾った。
先場所中に判明した日馬富士による貴ノ岩への暴行事件以降、土
俵外が騒然とする中で始まった初場所は先場所優勝の白鵬が連覇な
るか?や休場明けの鶴竜と稀勢の里が巻き返せるかというのが焦点
だった。
ところが場所前に立ち合いの肘打ちや張り手を批判された白鵬は
リズムを崩したのか3日目から北勝富士や嘉風に連敗しただけでな
く両足の親指を痛めて5日目から休場すると、復活を期した稀勢の
里も2日目こそ勝ったものの3日目の逸ノ城戦から3連敗と調子が
上がらず6日目から休場するハメに。
大関陣は豪栄道が4連勝スタートしたにも拘らず5日目から連敗
すると10日目から3連敗してファンをガッカリさせたし、高安も
8日目から8連勝して12勝したものの7日目までに3敗していて
は優勝争いからの脱落を意味する。
そんな中で休場明けの鶴竜が序盤から好調な取り口で10連勝し
‘このまま復活全勝優勝も’と思われたのだが、11日目に玉鷲に
敗れると苦しくなると引く悪癖が顔を出す負の連鎖に陥り千秋楽に
豪栄道に勝って連敗を止めたものの4連敗し栃ノ心の逆転を許す
事になった。
更に7連勝で前半鶴竜と並んでいた関脇・御嶽海も8日目に逸
ノ城に敗れると怒涛?の6連敗を喫し終わってみれば8勝7敗と
辛うじて勝ち越しというものだったわけで、余計に7日目に鶴竜
から敗れながら8連勝して優勝を決めた栃ノ心との明暗が分かれ
た形だ。
とはいえ栃ノ心も30歳でケガ持ちという事を考えると大関は
まだしも横綱というのは厳しいし期待の若手小結だった貴景勝と
阿咲松は貴景勝が上位の壁に跳ね返される形で5勝10敗、阿咲
松も4勝4敗から9日目に敗れた時に負傷し10日目から休場の
憂き目に遭うなど大関を狙うには時期尚早という感じ。
本来なら2横綱不在の場所だから両大関は横綱昇進の、三役陣は
大関への足がかりを付けたかったのだが最も大関への期待が持てる
御嶽海が7連勝の後に6連敗の体たらくで8勝7敗と辛うじての勝
ち越しだから辛いものがある。
という事で今場所は6連敗の御嶽海だけでなく大事な終盤に6連
敗した鶴竜と上位陣の連敗が目立った場所だった。