三原正のビッグマッチの夢が消えて30年

 今から30年前の今日82年2月2日に東京体育館で行われたのがWBA:
Jミドル級
タイトルマッチで王者の三原正が10位のデビー・ムーアから6RKOで
敗れて
王座を陥落し初防衛に失敗したのだが、勝ち進めばラスベガスあたり
でのビッ
グマッチに結びついていただけに痛恨の敗戦となった。

 ジムの先輩・輪島功一と同じJミドル級でプロ入り5戦目に東洋太平洋王者に
なって6度の防衛に成功し、81年6月にはヒューストンのアストロドームで行わ
れたシュガー・レイ・レナードとトーマス・ハーンズのWタイトルマッチの前座で
KO勝ちを飾る。

 そして11月7日に敵地・ロチェスターで行われた決定戦で地元の2位:ロッキー
フラットからダウンを奪い2-0ながら判定勝ちして世界王者になっていたのだ。

 実は三原の戴冠は幸運に恵まれた部分があった。

 東洋太平洋王座を保持していたので80年には1位までランクアップしたものの
王者は日本の工藤政志に完勝してタイトルを奪取しホームリングのコペンハー
ゲンでばかり防衛戦を行っていたアユブ・カルレだから敵地挑戦しての奪取は
厳しいだろうと思われていた。

 ところが80年11月にWBCウエルター級王者に返り咲いていたレナードが
WBA王者・
ハーンズとの統一戦に色気を見せ統一戦の‘保険’としてカルレの
持つJミドル級
タイトルに挑戦し首尾よくKO勝ちして2階級制覇をしていた。

 本来ウエルターがベストウエイトのレナードはハーンズとの統一戦に勝てば
Jミドルは返上と言われ、実際9月の統一戦で勝ったためJミドル級タイトルを
返上
して2位のロッキー・フラットとの決定戦になったのだ。

 敵地とはいえカルレやレナード相手よりは数倍楽な相手に勝った三原には
ビッグ
マッチへの誘いが多々あり、実際に南アフリカのチャーリー・ウェア相手に
敵地
防衛戦の話も出ていた。

 ただ6月・11月と海外での試合だった事で放映権を持っていたフジTVは初
防衛戦を
日本で行う事を主張し、紆余曲折の末10位のムーア相手になった
のだった。

 そしてムーアに勝ち4月のウェア戦と夏に予定されていたカルレ相手の指名
試合を
クリアしたらラスベガスでノンタイトルながらレナードとの一戦が予定され
ていると
いう話だったから凄い話である。

 残念ながら日本での初防衛戦のプレッシャーから完敗したのだがムーアは
三原への
挑戦前まで8勝4KOだったのだが、三原から奪取したタイトルをウェア
戦は当然ながら
何とカルレにも10RKOで下し3度の防衛に成功。

 4度目の防衛戦で‘石の拳’ロベルト・デュランにKOされて王座陥落したの
だが、
コレ以降はハーンズやベニテスらの強豪が揃うクラスになってしまい王座
陥落後に
持病の腰痛を発症した三原では参戦は不可能になったのだ。

 結局王座陥落から9連勝したものの腰痛が原因で引退。

 日本人初のアメリカでのビッグマッチを期待された三原が失敗して29年目の
昨年、
西岡利晃がラスベガスでラファエル・マルケスに判定勝ちして ようやく
宿願を果た
した事になったが、上手くいけば30年前の82年に実現していた可能
性があったビッグ
マッチだったのだ。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
ラストファイトが (Unknown)
2012-02-03 02:57:15
さっぱりで(>_<)三原の引退試合かょってヤジとんで数週間あとにホントに引退してしまったという驚き…
前座で自分より格下の相手に判定勝ちしたものの糞味噌ヤジられ!!まさかそのあとに世界王者なるとは!
玉熊であります
昔はヤジもおもろかった♪
 
 
 
ホントですね (こーじ)
2012-02-03 22:36:37
>Unknown様
 まさしく三原は81年で運を使い切った形でしたね。
 王座陥落した時は‘修行中の身’と言って再起を宣言していたのに・・・・
 
 
 
他にも・・・ (ある)
2012-02-10 03:27:29
アルゲリョvs亀田昭雄や、サルバドル・サンチェスvsロイヤル小林も実現寸前だったようですね。

アルゲリョはプライヤーに敗れた後で、亀田昭雄も敵地でプライヤーに挑戦して初回にダウンを奪いながらもKOされた後。

ケビン・ルーニーやビル・コステロのように倒されたかも知れませんが、「あの人と戦えるだけで良かった」という亀田昭雄のコメントは沁みました。

ロイヤルも最晩年で、相性で言えばダニー・ロペス戦の方が面白かったでしょうが、すでにスター選手となっていたサンチェスと戦っていたら、また勲章が増えたでしょうね。

さてさて唐突ですが
ワタクシやっとブログを開設いたしまして。
「あるBOX(改)」として古い日誌と最近の日誌を繋げる作業の真っ最中です。

今後とも宜しくお願い致します。
 
 
 
コチラこそ (こーじ)
2012-02-10 22:20:28
>ある様
 サンチェス-R小林戦についての経緯はジョー小泉の
ボクシング賛歌の中で扱われてましたね。

 結果いかんに拘らず戦うだけで価値があったかもしれません。

 以前の日記にはプリキュアネタが多かったので、今度はソチラにコメントしようと思ってますよ。
 
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