ニュージーランドで行われている第7回ラグビーW杯も先週で予選プールが
終了してベスト8が出揃い、今週末から決勝トーナメントが始まる。
残念ながらJカーワン ヘッドコーチが率いる日本はトンガとカナダ相手の
‘予選プール2勝’を目標に掲げていたが、トンガには完敗し前回ラストプレーで
引き分けに持ち込んだカナダには残り10分をきって8点差を追いつかれて引き
分けに持ち込まれ4年前と同じ3敗1分に終わった。
実は大会前のメディアの評判は悪くなく、特に勝ちを計算したトンガ相手には
5連勝中だった事もあり 試合前には楽観論が漂っていた。
ところが実際は1度もリードを奪う事なく18-31で完敗するなど予想外の結果
になったのだが、これなどマスゴミのミスリード再びである。
サッカーの日本代表が98年に初めてW杯に出場した時に2試合目でクロア
チアとの対戦になったのだが、メディアの中には‘前年のキリン杯で4-3で勝って
いるので勝てない相手ではない’という論調があった。
たしかに97年6月に行われたキリン杯でクロアチアと対戦した日本は4-3で
逃げ切ったのだが、よくよく考えれば98W杯で得点王を獲得したダボン・スーケル
とボクシッチの2トップに司令塔のズボニール・ボバンが不在だったしアサノビッチ
やプロシネツキもコンディションが悪く前年EURO96で見た彼らのプレーとは雲泥
の差だった。
ただでさえ梅雨真っ最中の6月の昼間の試合蒸し暑さと時差ボケに悩まされ
ながら戦っていたわけで勝ったとはいえ、その時のクロアチアとは全く違うチームの
はずなのに・・・・と‘クロアチアには勝てる’という記事に違和感を持っていた。
ヨーロッパや南米のチームはW杯などの試合と親善試合では全くモチベーション
が違うのが当たり前で、特に日本で行われる親善試合で勝っても本番ではアテに
ならないのだがプロ化が進んだラグビーでも然り。
親善試合と大して変らないパシフィック・ネイションズでトンガに勝ったとはいえ
ヨーロッパでプレーしている中心選手が不在のチーム相手に辛勝だった事を考え
れば予断を許さないはずなのに、表面の結果だけを見て楽観論を垂れ流すという
のは あまりにも無責任な話だろう。
いい加減に本番の真剣勝負と親善試合を同じレベルで語るのを止めないと、
一般のスポーツファンにまで信用されなくなるのではないだろうか。