ウルトラセブンEP33・侵略する死者たち

　異形の宇宙人や怪獣が登場しないEP。
　子供の頃にこのEPを初めて見たとき‘何じゃこりゃ！’と思って
腹が立った記憶がある。
　悪いことに再放送で見る度に必ず当るのだ。
　ただ高校生ぐらいになって見たら、かなり面白かった。

　敵は霊魂のような怪人・シャドウマン。
　とはいえコイツらは謎の宇宙人から操られているという設定だが、
謎の宇宙人の精神体ではないか？という説もある。

　防衛軍基地周辺で‘死体’が次々と防衛軍関係者の車に撥ねられ、
基地に収容される。
　また深夜基地内を徘徊してセンサーに触れたため、防衛隊員に
銃撃されて死亡した遺体まで収容される。これで計10体だ。
　しかも全員が黒づくめでホルマリンの匂いまでしていた。　

　これらは、どうやら第3病院の解剖用の死体が死体漕から何者かに
盗まれたものらしい。　いったい誰が、こんな事をしたのか・・・・・

　11話に続いて13日の金曜日の夜に事件は起こる。
（今回はソガ隊員は気にするそぶりはなかったが・・・・）
　遺体安置所の死体から影が抜け出し暗躍を始める。
　そして3万ボルトの高圧電流が流れている超厳重機密書類庫から
影は、世界の地球防衛軍秘密基地の所在地が明記されているマイクロ
フィルムの書類を盗み出したのだ。
　遺体安置所に戻ったダンは、ただならぬ気配を察知し変身するものの
突如噴出された白い煙にまかれてミクロ化されてしまいコップ詰めに
される。

　このシャドウマンが強いのか、

セブンが弱いのか？

　セブンは脱出するために、エメリウム光線で火事を起こして非常ベルを
鳴らす。これで遺体安置所に防衛隊員達が来て消火作業をしている
間にセブンが封印されたコップが蹴り倒され何とか脱出に成功した。
　ただし、その間に影は作戦室に侵入しオペレーター達を煙で気絶させ
てテープを伝送してしまった。

　つまりセブンは利用されたわけで、

なかなか狡猾な連中だ。

　テープの周波数を逆探知した結果、廃墟の建物から宇宙に送られて
いるのが判明しダンがホーク2号で急行。　
　敵の宇宙ステーションを発見したものの、光線を浴びて大破？　
そこでセブンが登場するが、麻痺光線を浴びせられ円盤から拉致されて
カプセルに封印されてしまう。

　ここにホーク1号が駆けつけ、セブンを救出した後に円盤群と交戦して
全機撃墜とウルトラ警備隊大活躍。
　一方のセブンは最後に宇宙ステーションをワイドショットで粉砕する
ものの、このEPではコップに封じ込まれ脱出するのに火事を起こしたら
そのスキに作戦室を襲われてテープを電送されるなどセブンは足手まとい。

　セブン不在でも十分に成立する

ウルトラ警備隊大活躍EPだ。 　

　なお、このEPの中で基地内に運び込まれた死体が暗躍するのは
ウルトラマンティガの‘GUTSよ宙へ’で使われている。
　もっともティガでは、死体ではなく機械人形だったが。