武闘派博士・田崎 潤

　先日‘怪獣大戦争’と‘怪獣総進撃’を見ていたら博士役を田崎潤が演じて
いた。
　それまでの怪獣映画の博士は志村喬や平田昭彦のような ‘いかにも博士
です’という風貌の人が多かった。
　実際に他に博士を演じたのは千田是也・村上冬樹・土屋嘉男らインテリ
系だ。

　一方で田崎潤といえば‘キングコング対ゴジラ’や‘サンダ対ガイラ’の
防衛隊の指揮官というイメージが強いし、何と言っても極めつけは‘海底
軍艦’に登場した轟天の艦長・神宮寺大佐だろう。

　つまり生粋の軍人が似合う人なのだ。

 　ところが前記した2作品では科学者を演じている。
　特に‘総進撃’ではゴジラら地球怪獣のコントロール装置を作るなど実績
面でも悪くない。

　それから6年後の74年には仮面ライダーXでXライダーに変身する神
敬介の父・神敬太郎博士を演じていた。
　神敬太郎博士は単なる科学者ではなく‘科学者にも腕っ節が必要だ’と
いうポリシーで格闘術にも優れている。
　しかも悪の組織GODから息子共々襲われ、瀕死の重傷を負いながら
敬介をカイゾーグ＝Xライダーに改造するという力技まで披露している
のだ。

　この役柄は、

　通常の博士役者では無理だったろう。

　神宮寺大佐同様‘この人にしかできない’博士を演じられた田崎潤は、
名優だと思う。