保守的なプロ野球OBには困ったもの

 今年はリオ五輪が行われ日本人選手達が世界を相手に戦う事の素晴
らしさを改めて実感できたわけだが、そんなスポーツ界において未だ
違和感を感じるのが‘昔に比べて最近のプロ野球はレベルが落ちた’
という趣旨の発言をする評論家といわれるプロ野球OBの面々だ。

 喝氏を筆頭にした面々の話を聞いていると‘自分達の時代の方がレ
ベルが高い'`外国のマネをする必要はない’などの主張が特に目に付く
わけだが、正直言って陸上や水泳をはじめとしたあらゆる競技で昭和
の時代よりレベルが下がっているものは見た事がないしレベルが下
がる事自体が異常だろう。

 現役時代に実績を残していた人達は自分達がやってきた事に対して
誇りを持っているのは当然で、それを否定されると反発する気持ちは
十分に理解できるが技術というのは進化しており以前やっていた事が
間違っていたというのは運動中の水分補給の禁止などを筆頭に枚挙に
いとまがない。

 つまりプロ野球のOB達が現代風のトレーニングを否定するのは、
運動中の水分補給を否定するのと同じぐらいの感覚ではないか。

 野球に携わる者にとって大事なのは野球のレベルをより高めていく
事が最優先なのだが、ややもするとOBの方々には結果的に自分達が
やってきた事に対する否定が入ると感情的になって‘自分達の時代は
よかった'的な論調が増えるわけで ある意味大人気ない話。

‘昔の稲尾和久をはじめとした投手は先発した翌日にリリーフをす
るなど連投は当たり前だったのだが、今は中6日のローテーション
で投げるだけでなく球数制限まであるのだからだらしない’という論
調など代表的なものだが、打撃レベルが当時と比べて格段に上がっ
ているという事を無視したもので稲尾ら当時のエース達の実績は尊
重するものの彼らが今の時代に連投をしまくっても当時のような成
績を残せるかは心もとない。

 そういった状況を全く無視して‘昔はよかった、今はだらしない’
的な論調で語るOB達は評論家とは言えないのではないか。

 プロ野球OBの中には野茂英雄を筆頭としたMLBで活躍した人
達をはじめ桑田真澄や宮本慎也ら若手だけでなく、年配者でも長嶋
茂雄や王貞治に中西太など進歩的な考えを持った人達は多く特に王
などは自らの持つ年間最多HR記録をウラジミール・バレンティン
から破られた時も それを肯定していた。

 これからはOB達も新陳代謝も進むわけだから若手OBの中にも
清原和博や金本知憲のようなタイプもいるだろうが、時代の進化に
付いて行けるOBの方が増えるのは確実だ。

 だからマスコミも少数派に過ぎない昔の価値観全開のOBの言動を
面白がって、あたかも主流のように煽り立てずに野球界がよりレベル
アップできる論調で語るOB達をこそ重宝するのが使命ではないだろ
うか。

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