先日 昭和の強さや速さに対する価値観について扱った時に‘今 改めて聴くと
ムチャクチャな歌詞でも子供の頃は全く気にならなかった’というコメントを貰った
のだが、確かに01ロックや走れサイクロンを歌っていた子門真人や超人
バロム1や おれはXカイゾーグを歌っていた水木一郎のパワフル&ノリのいい
歌いっぷりに乗せらて歌詞の矛盾に気付かず歌っていたのを思い出す。
それだけ子門真人や水木一郎の歌唱力は素晴らしいものがあるのだと実感
するし、その証拠に例えば佐々木功が仮面ライダーやマジンガーZを歌っても
大いに違和感がある。
やはり歌手の持ち歌は歌手のキャラが宿るわけで宇宙戦艦ヤマトの世界には
佐々木功が、キャプテンハーロックの世界には水木一郎がフィットしているという
事だろう。
ヒーローものの中で異彩を放つ快傑ズバットは正直言って作りは安っぽいし、
早川健が凄惨なリンチを受けたにも拘らず いつの間にかズバットに変身し
ズバッカーに乗って登場するなど毎回同じ内容のストーリーで進行する。
それでも人気があって名作扱いされるのは早川健を演じた宮内洋のキャラが
見事に嵌っているからだと断言できる。
早川健を藤岡弘や水嶋ヒロらが演じても違和感しか残らないだろうしリメイク
されないのも宮内洋以外に演じきれる人は存在しないだろう。
つまり快傑ズバットは あらゆるマイナスの要素を宮内洋という役者1人の力で
名作に昇華させたとも言えるし、矛盾だらけの歌詞でも子門真人や水木一郎
らの歌唱力で名曲として名を残させたわけで いかに演じる役者や歌う歌手の
力量が大事かが分かる。