伊調、13年ぶり敗戦=レスリング
吉田沙保里と共にアテネ・北京・ロンドンと五輪3連覇を達成し
今年のリオでも五輪4連覇が期待される伊調馨がロシアで行われた
ヤリギン国際58㌔級決勝で、モンゴルのプレブドルジから0-10の
テクニカルフォール負けし13年ぶりの敗戦を喫したとの事。
早速マスコミは‘リオでの4連覇に黄色信号’などと騒ぎ始める
のだろうが個人的には仕方ないし、栄和人強化本部長が‘負ける
なら今のうち’というコメント通り五輪本番ではなくてよかった
と思うクチである。
今年31歳になる伊調にとって16年以上負けてないという事は
相当なプレッシャーになっているし勤続疲労も考えられるだけ
でなく、階級が変更されたので従来の63㌔級から58㌔級に移っ
た事も大きな要素ではないかと思うのだ。
実際に伊調は‘間合いをつかむヒントが欲しい’と離日する
時に語っていたようだが、減量に問題はなくても5㌔違うと
スピードが違ってくるのでタックルのタイミングも難しくなる。
柔道のアテネ五輪100㌔超級で金メダルを取った鈴木桂司が
五輪後に従来の100㌔級に移ったとたんに苦戦し始め、北京では
初戦で敗れるなど惨敗した事があった。
ボクシングでも一旦階級を上げて元の階級に戻すと厳しいと
いうケースが多々あるわけで、この現象が今回の伊調に起きた
という事になるのではないか。
連勝というのは必ず止まるわけだから五輪本番で連勝が止まる
というのが最悪なので、今回のような大会で敗れたというのは
むしろ好都合だったし吉田沙保里以上に適応能力がある伊調の
事だから8月までにはアジャストさせる事ができると思うのだ。