宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

大切なことが詰まっている

2018年09月26日 | テレビ・ラジオ・映画など
(10/20記)
映画館で映画を観た。
「泣き虫しょったんの奇跡」
映画ウェブサイト

前回久々に行った映画館で予告編を観て「これは絶対観なければいけない!」と直感したのだった。予備知識は一切なし。
上映回数が1日1回になったりしてタイミングが合わず、なかなか観に行けなくて、ビデオになってからでもいいかぁ~と諦めかけていたのだけど、よかった、上映終了間際になんとか行けた。

直感通り、ほんとうに良い映画だった。
映画の中の主人公は実はそこまで泣き虫ではなく、むしろ観ているこっちのほうがたくさん泣いてしまった。
奨励会ほどの厳しさとはまったく次元が違うけれど、「この年齢までにこうなっていなかったらもうダメだ」みたいなことを思っておびえたり、逃避したりということを20代の自分もしていたので、その分も感情移入してしまったのだと思う。
小学校の先生とのつながりや、親との関係、ライバルやそのほかいろんな人との関わりに涙ぐんでしまう。

パンフレットを買って、原作の文庫も購入した。
原作本を今読んでいるんだけれど、著者の瀬川晶司さんはほんとうに文章がうまい!
小学校のときに作文をほめられた話が出てくるけど、プロの作家ではないのにそれ以上のクオリティ(と思う)。過不足なく分かりやすい。映画もだけど、将棋のことを全然知らなくても大丈夫。
映画化にあたっては細かいところは変えても、原作のエピソードをとても大事にしていることが分かった。

主題とはまったく全然関係はないのだけれど、著者のお母様の趣味は語学と音楽とのことで、語学は英語に加えて独、仏とハングルも勉強されているそうだ。「語学と音楽は、自分が進歩していることを確認するのに最適な習い事なのだそうだ。」という一文に共感。映画でのお母さん役は美保純で、意外といい感じと思ったけど、原作を読むと、意外ではなく原作に忠実なキャスティングなのかも。

すれちがい?

2018年05月05日 | テレビ・ラジオ・映画など
「わたしの彼は左きき」(浅丘めぐみ)という歌がありますが、
歌詞に「私は右きき すれちがい」とあって、たぶん利き手の違いに、彼と思いがぴったり合わないことへの切ない気持ちを託していて、そこが聴いていて、胸がキュンとするポイントだと思うんだけど、

でもよくよく考えてみると、並んで手をつなぐときはお互い利き手同士だし、向かい合って手のひらを重ねるときも利き手同士が合うわけだから、二人とも利き手が同じよりもカップルとしては理想的なんじゃないかなー

などということを、ふと。
4月27日放送分、NHKBSプレミアム「the Covers『筒美京平ナイト!』」を観ながら思った。
(真心ブラザーズによるカバー)
ウェブサイト

田島貴男さんが歌っていた「女になって出直せよ」(野口五郎)って知らなくて、え、なにどういうこと、とドキッとするんだけど(そういう戦略もあってのタイトルだと思うけど)「いい女になって」ということなのねー

あと「君だけに」(少年隊)って名曲だったのねーとあらためて。
同時代すぎて、かえって観たり聴いたりしていなかった。
(あえていえば、ちょっと後だけど、ニッキの頭の回転の速さと言語能力には刮目していた)
過去映像で、歌いながら踊る3人とも、まったく体幹がブレないことにビックリ。

筒美京平氏の50周年自選作品集が発売していたのを忘れていた。
チェックしなくてはー
(検索したらシティ・ポップス編に「サザエさん/宇野ゆう子」と「或る日/ザリバ」が一緒に入っていた。サザエさんも「シティ・ポップス」か)

「高潔」とはこういうことか

2018年04月25日 | テレビ・ラジオ・映画など
「妥協するな 最善を尽くせ」

「僕の言うことで(意見が)変わってはいけない。君のままでありなさい」

くー
かっこいいなぁー

これらは昭和の名物編集者にして音楽家坂本龍一さんのお父様、坂本一亀氏の言葉。
4月23日放送NHK『ファミリーヒストリー』坂本龍一さんの回、録画しておいたのを翌日観て、心に残ったので書いておこうと。

前者は、担当した新進作家に繰り返し語っていた言葉。
後者は、晩年、交流があった学生に話した言葉。

この学生さんというのが、現在40歳、大学の卒論で三島由紀夫について書くために、担当編集者だった一亀氏に話を聞きたいと手紙を書いたそうで、まさか引き受けてくれるとは思わなかったのが、承諾もらえて、完成した卒論を見せたら、細かい日付とか直しを入れてくれて、それは彼の宝物になったそうだ。
そして、上記の言葉や、別れ際、若い学生にも深々と頭を下げるそのたたずまいに接したこと、それ自体も貴重な宝物だと思う。
学生時代にそんなすばらしいものを受け取れたなんてほんとにうらやましいなー。やっぱりね、卒論でもなんでもイヤイヤじゃなくて、積極的に取り組まなくてはねー。

・・・などと、見応えたっぷりでいろんな感想があるこの番組で、なぜかこの部分に特に反応してしまったのは、自分の学生時代の後悔が大きいからか・・・

ツイッターとかで感想を見ると、観終わって涙が出たとかしばらく動けなかったとかいうのが結構あって、私もそうだったんだけど、なぜかと思うに、父子の不器用な愛情とかいろいろあるんだけど、やはり一亀氏の人柄に、現代の私たちの心を打つものがあるのか。私利私欲をまったく考えない人って、今、たぶん、ほぼ、いない、と思う。

(一亀氏の日記に「顕子君よりtel」とあったのが見えて「おっ」と思ったことを後日ではあるが書いておこうっと。上記の言葉といい、通底するものがあったのではないかなーとも思う。)

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「妥協するな 最善を尽くせ」
は、心に刺さる。
座右の銘にしたいと思うが、すべてにこれでは疲れる。
「小説を書く上で」ということだと思うけど、一亀氏はすべてにおいてこの言葉を実行していたのかも。

そこで、映画監督小津安二郎の、より老獪な名言を思い出したので、心に留めるために合わせて書いておこう。
「どうでもよいことは流行に従い、重大なことは道徳に従い、芸術のことは自分に従う。」

これに従えば、自分の良心を保ちつつ周りとの軋轢を減らせそうな気もする(^^;

春に

2018年03月30日 | テレビ・ラジオ・映画など
24・25日に行った名古屋で、もうひとつ、懐かしい感覚があった。

25日は映画を観ることにして、検索し、
宿泊していたところからも近いしと「伏見ミリオン座」というミニシアターに行ってみた。

この雰囲気。
この観客層。
いろんな言語の映画の予告編。
そして、映画の内容。

嬉しいなー好きだなー久しぶりだなー。
こういう場所はほんとに大事。

観た映画は『ハッピーエンド』
ウェブサイト

これがまた映画館の暗闇に閉じ込められてこそ味わえる映画、というかつまり家でDVDで観てたら途中でやめちゃうねって感じなんだけど、終盤に向かっての静かな緊迫感に、まったく関係なく的外れかもしれないんだけど、将棋の棋譜を読む醍醐味とはこういうものか、知らないけど似ているかもなんて思った。
主役の少女の父親役がマチュー・カソヴィッツで、役者として観たのは『アメリ』以来だけど、老けてないのにちゃんと年相応の医者で父親に見える。
ふと「フランスのクドカン(宮藤官九郎)」という言葉が浮かぶ。ちょっと違うか。
『憎しみ』とか初期作品の頃からのイメージで。年頃も似てるし。(調べたらカソヴィッツがちょっと上だった)

ミニシアターが好きとかいうとスノビズムと思われそうだけど、違うんだよー。
街角にこういう映画館が普通にあってほしい。
富山ではフォルツァ総曲輪がなくなってしまったからなー。
富山の学生さんはミニシアターの雰囲気を味わえないのね・・・
と思って検索したら「ほとり座」ががんばっている。
しかし、20席で予約なしだと入れないかもかー・・・でも近いうちに行きたい。

私は県内でも田舎の人なのでなかなか行けないんだけど、なおのこと、中心繁華街への憧れというか、こうあってほしいという気持ちが大きいのである。

関心が拡散してあれもこれもになってしまうんだけど、映画もまた観にいくようにしたい。

年末年始のテレビ

2018年01月15日 | テレビ・ラジオ・映画など
あけましておめでとうございます。
誰にというわけではないけれど、今年もよろしくお願いします。
2週間遅れであることはあまり気にせず(^^;
年末のテレビについて遅出しながら覚え書き。

年末は基本NHK『紅白歌合戦』を観ることにしているのだった。
ネットでも同意見たくさんだったけど、やっぱりウッチャンの司会がよかった。
おみそれしておりました。
「娘が好きで」とか家族ネタの声掛けに、あ、結婚して家庭を持ったことが仕事にプラスになるという直接的な例を見た、と思った。
いやー私の中ではいまだ、内海好江師匠のお葬式で、芸能レポーターからなぜか結婚ネタを絡められ(「師匠にお嫁さん見せたかったですね」とかなんとか。思い出してもなんかヒドイな)場所が場所だけに言葉少なに怒りをおさえるウッチャン、のまま更新されてなかったもので(^^;
結婚して子供を持つことがプラスになったといえば、ライブ会場から中継の福山雅治の歌を、初めていいと思った。
歌っていたのが「トモエ学園」というドラマ『トットちゃん!』の主題歌だったからかもしれないけど(面白くて録画して視聴していた)、その前の小学校訪問のVTRと合わせて、独身時代に歌っても説得力なかったんじゃないかな、と思った。
あと平井堅の歌と、義足?のダンサーの人の踊りにひきこまれた。万事ごちゃごちゃしがちな昨今、舞台装置はシンプルなほうがいいな。
桑田佳祐の中継場所にNHKアナ有働さんが行っていたのもよかった。NHK紅白との一体感をつくるの大事。
そうそう、この福山、桑田のライブに行ってる人とか、紅白の後の『ゆく年くる年』で寺社に並んでいる人たちは紅白をナマで観ていないわけで(でも年の瀬を象徴するモブとして画面上は貢献?している)視聴率というのもよく分からないものだとつくづく思う。
紅組はえーと、AKB48の渡辺麻友さんはやっぱり希少価値のあるかわいさだなーと。ほんとの中身は知らないけど、あの清純派そのものの外見は今時の女の子たちの中では異色だよねー。幸せになってほしいとなんとなく。
あとトリの石川さゆりさん「津軽海峡・冬景色」、最後は微笑みとともに。平成時代の歌唱であった。
あ、個人的に思い出した。前にピアノの音の違いについて書いていたので。XのYOSHIKIモデルのピアノはカワイ製。そうそうこういう音だったと思ったよ。

紅白だけで長くなってしまった。
裏番組ではTBS『KYOKUGEN』内、浅田真央さんの姉・舞さんに捧げるスケート、録画して観た。
妹の姉に対する想いってこんななんだーともらい泣き。
ピンクと藤色の衣装がとてもステキだった。

あと録画して観たんだけどNHK年明けの番組は『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』七尾線とのと鉄道の回と指宿枕崎線の回。2015年?の再放送らしかったけど。バックに流れる六角さん本人の歌が味わい深かった。
おうちでのんびりもしたいけど、旅にも出たいなー・・・

今までを振り返る

2017年12月31日 | テレビ・ラジオ・映画など
You Tube で、坂本龍一・妻夫木聡出演サッポロ生ビール黒ラベルのコマーシャルを観る。
年をとってよかったこととして、昔話しづらかった方とわりと気楽に話せるようになった、っていうの、うんうん、なんだか分かる気が。坂本さん細野さんがっていうことではなく(^^; 自分的に。

12月上京日記の続きなのだけど
12月11日は坂本龍一さんのドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto:CODA』を観た。@角川シネマ有楽町
公式サイト http://ryuichisakamoto-coda.com/

この日は19:00からの上映前に本人出演のトークイベントがあったそうで!
前日に知ったのだけど、この上映回だけは当然チケット完売だった。
私が観たのは、その前の16:00の回。
鎌倉から慌てて戻り、時間ギリギリに入場。
お腹が空いて、お土産の鯵の押寿しをこっそり食べる(^^;
観客が少ない(ひとケタだったと思う)からできることだ・・・

公式サイトで監督が語っているように、坂本さんの全体像が20年後、30年後に観た人にも分かるような「肖像画」的映画。
過去の公開映像や関わりのある映画の場面を繋いでいる部分も多く、「作品」としての評価はどうなのか分からないけど、ドキュメンタリーというのは、作家の個性が前面に出ないほうが観やすいし偏りもないからいいんでしょうね。

個人的には『ラストエンペラー』から『シェルタリングスカイ』の頃が、自分史とも重なって胸がいっぱい。
映画、もう一度観たいなー。両方とも映画館の大スクリーンでこそ堪能できる映像、内容ですよねー。
タルコフスキーの映画『惑星ソラリス』の場面も差しはさまれてるんだけど、ロシア語が聴こえたのが嬉しかった。といっても "Ничего"(ニチヴォー なにも)と "Давай"(ダヴァーイ さあ、行け)だけですけど(^^;(^^;
落ち葉を集める音、雨だれの音などを採集する場面は、私が田舎者だからかもしれないけど、特別な驚きということはなく、音楽家として注目(耳)するのは自然なことだよなー、と。
個人的な感想ばかりで恥ずかしいんだけど、いちばん印象に残ったのは坂本さんがバランスボールに座って制作活動をされていたこと。
私もバランスボール買おうかなー。体幹鍛えたいし。

2月には金沢の映画館でも上映あるのでまた観たい。
そしてニューヨークでの限定ライブを収めた映画「坂本龍一PERFORMANCE IN NEW YORK:async」が1月27日から公開となるそうで、こちらも観たいなー。
2018年の上京予定についてはまったく未定だけど(^^;

今年を振り返ってや来年の目標を書いたりしたいのだけど、もう時間がない。
旧正月までには、ということにしておこう(^^;
とりあえず、健康第一、二番は掃除片づけ(^^;毎日の生活スケジュールに掃除を組み込みたいものだ。
とにかく皆さまお元気で~。

もう一度観たい邦画3つ

2017年12月27日 | テレビ・ラジオ・映画など
周防正行監督映画『ファンシイダンス』のパンフレットを見ているんですが、
主演の本木雅弘さん、ヒロイン鈴木保奈美さんの美しさといったら!
古書店でこのパンフレットを見かけたら「買い」だと思いますよー。はー眼福。

いつどこの映画館に行ったのか覚えてないんだけど、原作の岡野玲子さんの漫画も買っていたし(手塚眞さんとご結婚される前だったか?)オーケン(大槻ケンヂ)も出演してるしというので、封切時に観たんだと思う。オールナイトニッポンを聴いていて筋肉少女帯のアルバムも買っていたし、Roots66の面々の中でそういえば最初に知っていたなー。保奈美さんも丙午の66年生まれなのですよねー。

(Roots66といえば、先日のNHKBS『The Covers』で、初めて『おそ松さん』のエンディングテーマを聴いた!おもしろーい。で次は高橋幸宏さんのプロジェクトなんでしょー、すごいね。『おそ松さん』てなんだか女子人気がすごいらしいけど、まったく分からない。なぜ?声優さん絡み?)

スカパラ出演で思い出して『ファンシイダンス』また観たいなとレンタル店に行ったけど、置いてなかった・・・

また観たいといえば、同じく本木雅弘さん主演、市川準監督『トキワ荘の青春』もそのひとつ。
最初に観たのも映画館じゃなくて、レンタルビデオだったんだけど、寺田ヒロオ役モックンの静かなたたずまいが忘れられない。
後年、この映画で藤本弘(藤子・F・不二雄)役をやっていたのが阿部サダヲさんだったと知って、再びレンタル店に行ったんだけど、すでに棚から消えていた・・・

そしてもうひとつ好きだった90年代の邦画、それはアカデミー賞外国語映画賞(あっこれも本木雅弘さん絡みだが)受賞監督でもある滝田洋二郎監督『シャ乱Qの演歌の花道』。
当時ヒマだったので映画館に観に行ったんだけど、小学生(中学生かも)男子グループが「お、つんく、つんく」とか言っていて、当時のシャ乱Qってそういう方面にも人気だったのね。
主演者が劇中の曲を全部手がけて歌えるってのがすごいし、この企画を考えた人がまずエライ。
そして、滝田監督映画の個性(なんとも言えないアクの強さと妖気、おかしみ)が、シャ乱Qおよび映画の題材とぴったり合っていて、傑作!!と思ったんだけど、当時もその後もほとんど話題にならず残念・・・
ヒロイン役の瀬戸朝香さんも良かった。
滝田監督には爽やかしみじみ路線じゃなくて、ご自分の個性が存分に生きる企画に出会っていただきたいと切に願う。

テレビ出演いろいろ

2017年12月01日 | テレビ・ラジオ・映画など
12月1日、NHK「あさイチ」矢野顕子さん出演を観た。
前日にツイッターを見ていてよかった。情報収集は大事。
「ラーメンたべたい」「Soft Landing」
どちらも素晴らしい演奏と歌唱だった。朝から贅沢、というか感情が揺さぶられる。
黄色の衣装がステキ。髪型もウェーブがあるほうが好きかな。

矢野さんはいのっちファン
「頼りになるお兄ちゃん、みたいな」ふむふむ
有働さん
「私もフェスとか、ジャズの上原ひろみさんとのセッションとか、ライブで観させていただいて・・・」
そっかーと親しみ。(お仕事かもしれないけど)

「Soft Landing」という言葉について、11月23日フジテレビ系「アウト×デラックス」でもやっていたけど、あの番組スタッフさん、がんばったなーと思い出す。
「アウト×デラックス」はちょっと心配していたのだけど、違和感なく楽しく観られた。
冒頭マツコさんの
「こんな番組出ちゃだめー。矢野さんはNHKだけ出てればいいのよー」が効いたね(笑)
矢野さんの扱いでテレビタレントの力量は分かると個人的には思っていて、マツコも山ちゃんも好きなタレントさんなのでさすがと嬉しい。
(山ちゃんはスカパラGAMOさんと同系統とちょっと思っている)

11月24日のNHKBSプレミアム「The Covers」も観た。
もちろんステキだったけど「SOMEDAY」に限ってはアルバム「SUPER FOLK SONG」に入ってるほうが好きだったかなー。「若すぎてなんだか分からなかったことがリアルに感じてしまう」まさにリアルタイムに聴いていて沁みたからかな・・・今もいろいろリアルに感じてますけど、ちょっとこの歌のもとの意味合いとは違うかな、と。
(矢野さんのこの番組での演奏も、軽やかに聞こえた)

まとまらないが、取り急ぎ。

どうかしている

2017年03月02日 | テレビ・ラジオ・映画など
(3/4記)

NHKEテレでやっている『浦沢直樹の漫勉』、番組は知っていたけど、ちゃんと観たことはなかった。
が、先日初めて3月2日放送分を視聴。

それは清水玲子さんの回だったから。

今現在は漫画はまったく読んでいなくて『秘密』も映画化で存在を知ったくらいなんだけど、番組を見て、
「ああ物語は壮大になっても、登場人物の関係はジャック&エレナの構造を継承しているのねー」などと嬉しかったり。

現在の読者の方とは大幅なずれがあってお恥ずかしいですが、

私が月刊『LaLa』を毎号読んでいたのは1985年?から1990年頃で、1983年デビューという清水玲子さんがめきめきと世界観を確立されていった時期。
好きだったので、家に画集もイメージアルバム(CD)なんてのもある。

番組にはとにかく圧倒された。
下絵を4回も5回も描いて、裏からも透かして描いてデッサンの狂いを修正するというのに驚愕。
私も昔、裏から透かして「ああデッサンが狂っている・・・」とガックリきていたけど、なんか諦めちゃっていたな。清水さんほどのベテランですばらしい画力の持ち主がこれほどまでにしているとは。
一コマの絵の完成度に対する執着がものすごい。
いや、その執着は分かるんだよー。
渾身の1枚だけなら、私ももしかしたらその域までがんばれると思うけど、漫画の原稿って何十枚もあるんだよー締め切りもあるんだよー。

服のシワや手の形へのこだわりや微妙なズレの修正とか、漫画を描いているときの感覚は懐かしく、ああこの快感を私も知っている、と思った。まったく及ばずながら、10代の頃はGペン握って漫画を描いていたのでー
しかししかし。今更ながら、自分がいかに面倒くさがりで、ひとつのことに対する情熱が中途半端であったかを思い知らされた。
番組中で浦沢さんも言ってたけど、第一線で活躍してる人って大体「どうかしてる」面があるよね。

ともあれ、高校時代好きだった方が、あれから30年以上ずっと第一線で、しかも、うまい人は大体実写的な絵に変わってしまうけど、今も当時と変わらず漫画としてのときめきのある絵を描いておられるということが、嬉しいというか、とにかくすごいことだと思った。
唐突のようだけど、このところ折に触れて思い出す言葉、浅田真央選手が出ている住友生命のコマーシャルコピー「好きこそ、無敵。」をまた思い出した。

タイムカプセル

2017年02月09日 | テレビ・ラジオ・映画など
数日前ですが
この先映画館で観られるか分からないので、リマスター版じゃないDVDを思い切って家で観た。
『SUPER FOLK SONG ピアノが愛した女。』

内容についてはこちら
www.110107.com/yanoeiga

「思い切って」の意味は、昔観た時「怖かった」という印象があって、観るほうも集中力が必要と思ったから。
DVDは2000年発売とあるから、その頃に買っておこうと思ったんだと思うけど、1度も観てはいなかった(^^;

今回観ての印象は「すがすがしかった」。
松本の雪景色の映像が挟まっていたためかもしれないけど「雪解け」な感じ。

「怖い」も最初ちょっとあったんだけど、観ているうちに変わった。
うまくいかなくてガッシャーンとやった次の瞬間にふっと「うまくいかないなぁ」と苦笑いしたりするんだよね。
感情を爆発させ続けてまわりに八つ当たりする人は怖いけど、そうじゃない。
いいものを生み出すためにどうすればいいのか、常に考えている。
カリカリしたりキーッとなったりしてたらやり遂げられない、冷静で緻密な作業なんだなー。
むしろ、こんなに緊迫した空気が流れているのに、「先食べていいよ」って言えたり、ちょっとしたやりとりにユーモラスな感じもあるところがすごい!と思った。

米国人マネージャー氏との会話で
「でもね、ミュージシャンでありながら批評もするなんてできないんだよ」
云々と言われて
「でも私自分でジャッジできるわ。基本的に私の事信じてるもの」
と返す場面がありますが、

よく知らないけど、一般にミュージシャンってひたすらのめり込むタイプの自己陶酔型の人が多いのかな。ジャッジは他の人に任せているものなのかな。
矢野さんは一見陶酔型にみえるかもしれないけど、実は違う。
(そして私はそういう自己批評の目(耳)を持っている人が好きなんだなーと思う)

今はごはんを食べる(または声の調子を落とさないために食べない)という判断も、一番いい状態で録るためにはどうしたらいいかを冷静に考えてのことなんだなー。

鍋焼きうどんを前にちょっとぶーたれているお姿がかわいかった。
きっと熱々じゃなかったんだろうなと推察。
運んできた人はヘルメットをかぶってたから、きっとバイクで来たんだと思うけど、場所を迷ってたみたいだし。「冷めたうどんを運んできた人」として映画に記録されてしまったのは気の毒だ・・・(映画に映り込めてうらやましいなーと思いながら観ていたもので(^^;)
批評家だったら「自分に厳しい矢野にとっては、うどんを最高の状態で届けられないという意識の低さも信じ難いことであったのだ。」と書きそうな場面ですが(書かないか(^^;)でもまぁしょうがないわねって全部おいしく食べたと思う。

まるっきり次元が違う話ではありますが、このブログのこの文も、「もっとうまく書けるはず」と思いながら、書いては「なんか違うなー」を繰り返したのだ。
時間もずいぶんかけた。
「時間がーっ」とイライラキーッとなったり、書いている最中に呼ばれて怒鳴ったりもした(^^;
妥協しないで、I made it. と言えるまで持っていくことは本当に難しい。
つい妥協したりごまかしたりしてしまう。
そういう意味でも、特に芸術に関わってない人にとってもいろいろ得るところのある普遍性のある内容だと思う。

まぁうんでもなんといっても、聴こえてくるピアノの音がステキで、指慣らしでひたすら弾いている音もステキで、それにひきずられて画面を観ているところもあった。
またピアノだけのコンサート、行きたいな。