宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

一期一会の喜び

2012年08月21日 | 音楽
今年もブルーノートに矢野顕子トリオを観に行った。(前のトリオは「矢野顕子グループ」と名付けられていたけど今は「トリオ」なんだ!と今気づく)
ファーストステージを予約して行ったんだけど、調子に乗ってセカンドも観る。
平日だと比較的座席に余裕があるからか、こういうこともできるのがいいね。

矢野さんの衣装はピンクと黄色のワンピースに緑色のスパッツ。私はこういう配色好きだー。
セカンドではゴールドのワンピース。ウィルさん(ベース)、クリスさん(ドラムス)もセカンドでは衣装替え。こういうのも嬉しいね。
演奏曲目は、前日までのセットリストをウェブで予習していったので、そういう点で驚き!とかはなかったんだけど、演奏はやっぱり、というかさすが、というか新鮮でステキでゴージャズだった。
昨年、一昨年と観ているわけだから、予定調和的というか、良い意味でマンネリな満足があれば、それでモトがとれたというべきところだが、そうではなく、年々「新鮮」であるところがすごいんだねー。
ライブCDには、同じメンバーでの同じ曲目も納められているのだが、やっぱり生演奏はぜーんぜん違う! CDは生演奏の記憶を脳内再現するきっかけに過ぎないのだね。

新曲(Full Moon Tomorrow)すごーく良かった。また聴きたいなぁ。
「ポケットいっぱいの秘密」最初のスタンディング・パフォーマンス(っていうんですか)、ミャオミャオ言ってて変わっててかわいかった。ピアノに戻ってからのアンサンブルすごかった。
アンコールGasoline and Matches でのウィルさんのマッチに火を付けるネタ、あれ、火事にならないでちゃんと消えるのが不思議。

ベースのウィル・リーさんは今年還暦を迎えるそうなんだが、全然そんなふうにみえない。というか、年齢という概念がそぐわないというか、いや、コドモか大人かと言われれば大人なんだけど、なんというか(「というか」が多いな)ふいに年齢のことを言われるとすごーく不思議な感じがした。

セカンドステージ、ちょっと個人的に盛り上がりすぎのお客さんに対して、矢野さんはにこやかに「お黙りなさい」と言ってて、私は溜飲がさがった。ライブでは許容範囲なのかな・・・と少し悶々としていたので。でもそのお客さんもその後もウィルさんとハイタッチとかしてて、和やかでよかった。
またMCで「年々私たち(トリオ)の bonding が強まってー bonding・・・日本語で言うと『絆』? やな言葉(笑)」と言っていたのが、個人的に「矢野さんやっぱり好きだー」な発言で、印象に残った。
言わずもがなだけど、bonding 翻訳したら「絆」なわけで、その言葉が表す中身がイヤなんじゃないんですよ。マスコミとかがあまりにも「絆」濫用するから、その言葉に嫌気がさしてしまうわけで。と私は解釈した。そういうことへの敏感さって人を分けますね。

今年の特別カクテルへの命名は「宿題無し」。このセンスも好きだー。
グレープフルーツとキウイがベースでセージの香りがアクセント。
某料理をお薦めする際に「矢野さんがこういうお料理がお好きということでご用意しました」とサービス係のお姉さん(という呼び方でいいのか?)は言っていたが、それはほんとうだろうか。

とにかく、今この場にいられる喜びをかみしめる数時間であった。
「一期一会」という言葉をふいに思い出した。
茶道やってなくても、パフォーマーの人ってそういうのが身についているのかな。

(思い出してみると、ファーストはちょっとグダグダ感があって、夜更けのセカンドのほうが演奏がさらに良かったようにも思うし、やっぱり初日とか最終日最終公演だと力の入れ具合が違うんだろうなー、そういう点で3日目の平日はちょっと中途半端かなー、などと日時による違いを思ったりもしたのだが、そういうのも含めて、こういう演奏の日はこの時しかないという意味で等しく貴重なんだな)