宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

記憶の断片

2017年04月26日 | 
上京時に買った本3冊
『創作あーちすとNON』(のん 太田出版)
『あのころ、早稲田で』(中野翠 文藝春秋)
『まぬけなこよみ』(津村記久子 平凡社)

後2冊は、後日県内書店でも見かけたけれど、のんさんの本(写真集か)はいまだ見ない。
地域格差。
神保町東京堂では山積みだったのに。
中野さんの本は店内ベストセラーに入っていた。

中野翠さんの『あのころ、早稲田で』
学生運動そのものだけでなく、周辺の些細な事柄、人物群像、当時の日常生活や流行風俗の話、けっこう短い文章で話題が変わっていったりするんだけれど、そのフラグメントの積み重なりという感じが、回想録としてはリアルでいいんじゃないかと思った。
早大闘争とか事象そのものへの興味で読んだ人にとっては期待はずれだったかもと思ったりもするけれど、中野さんの文章の特質は違うところにあるのだ。

今放映中のNHK朝の連続テレビ小説『ひよっこ』で、ビートルズの話がちらっと出て、はっと思ったのだけど、このドラマの主人公みね子と中野さんは同い年なのだった。

「後日談いくつか」の最後に、「くわえタバコで」というコラムが収録されている。
古いスクラップ帳を点検していたら出てきたという。
中野さんの本質が表れているステキなコラムだと思うんだけど、
「単行本にも収録していない」ことはない。
2004年分のコラムをまとめた『ここに幸あり』の中に入ってましたよー。
印象に残っていたので覚えている。

中野さんが覚えていないのはしょうがないとして(^^;担当編集者の人はチェックしなかったのか、単行本初出としたほうが価値が上がるという意図もあったりして?でも毎年コラム集を出している毎日新聞社の担当の人としてはひっかかるよね・・・
まぁ、時評コラムは書店から消えるのも早いから、こういう形で収録されたのはよかったと思うけれども。

走り書きで失礼