宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

ベストセラーを読むきっかけ

2020年08月06日 | 
目利きではない、猜疑心が強い、ケチ、結局はメジャーなものが好き・・・ということから、ベストセラーはかなり後追いで読むことが多い。
ブレイディみかこさんのベストセラー『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)を読んだのも、去年の11月だった。(奥付によると11刷)
なるほど、話題になるものにはやっぱり理由がある、すごく面白かった。
同時に、なぜか図書館に以前からあった『花の命はノー・フューチャー』(ちくま文庫の)も読む。
個人的には、ちょっと年上で、円高のいちばんいい時期に海外生活を経験している人というのは、懐かしい憧れの対象で、かつ、自分もそうありえたかもという、オルタナティブ自己だったりもして、そういう人の人生への興味もあるんだと思う。
が、なんといっても、社会派の視点と文章のおもしろさが共存しているところが好き。
英国パンクロック好きというのも、私は洋楽まったく疎いんだけれど、そういう音楽が好きな人だからこその文章だと思う。

さて、私が後追いで『ぼくはイエローで…』を購入したのは、NHK「あさイチ」のゲストにブレイディみかこさんが出演した後だった。

「あさイチ」の現在の司会はご存知、博多華丸・大吉のお二人だが、番組の最後のほうで、ブレイディみかこさんが「妹が大吉さんと高校の同級生で」と言っていたのが、記憶に残っている。
その場では「へーそうなんだ」くらいでさらっと流れてしまったのだけど、その一言で、「福岡出身」「著者の年齢は華大のちょっと上」ということが具体的に分かり、「英国だしカタカナ名前だし実体ない感じ。関係ない」から身近な印象に変わって「読んでみようかな」というきっかけになったんだと思う。私の中では。

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ついでに、上記の流れとはまったく関係ないのだけれど、最近「あさイチ」を観ながら「大吉さん、無駄にイケメンすぎる問題」によく思いをはせる。
好みのタイプとかそういうことではなく、客観的にあの番組で司会をまわすポジションとして、あの外見や醸し出す雰囲気が、格好良すぎて、観ているこちらがちょっと困る。
まぁ、その違和感も含めてのおもしろさがあったりするわけで、幅広い年齢層の女性が観る朝の番組には合っているのだろうけれど。
『「大家さんと僕」と僕』(ネットに「宝塚と僕」が挙がっていて、大家さんが出てなくてもおもしろいと思って遅ればせながら買った)の中に「大吉さんと僕」という1ページがあって、それによると「ちなみに大家さんは、大吉さんを見た時『戦前の紳士』と言っていました」とのこと。 戦前の紳士…確かに…モノクロ日本映画の男優さんっぽい。

7月の私(読書記録)

2020年08月06日 | 
ブログのことは気にかかっていたのだけど、書かないまま8月になった。
特に何があったわけでもないのだけれど、湿気のせいか毎年7月は気分や活動が停滞がちな気がする。
一旦中断すると、妙に気負って再開がさらに遅れた。
リハビリがてら、7月に読んだ本の記録など。
こういう時だしと思って、わりとほいほいと本にはお金を使った。
ベストセラー本(知られている作家)ばかりでお恥ずかしいですけど。

『ワイルドサイドをほっつき歩けーハマータウンのおっさんたち』(ブレイディみかこ 筑摩書房)
『MISSING 失われているもの』(村上龍 新潮社)
『サキの忘れ物』(津村記久子 新潮社)
『猫を棄てる 父について語るとき』(村上春樹 文藝春秋)
『「大家さんと僕」と僕』(矢部太郎 新潮社)
『ペスト』(カミュ 宮崎嶺雄訳 新潮文庫)

『ペスト』は数か月前から読んでいたのだけど、他の本のためにしばしば中断して、やっと読了。
そのため個々の登場人物について、どういう人だったか思い出せなくて混乱したりしていたのだけど、親切な解説のおかげで、そうそうそうだったと総括することができた。
この小説の「ペスト」は「戦争」の暗喩だったのね、と最後のほうで分かった。戦争の終結は、今後爆撃される恐れはないという意味で、境目がはっきりしている(と思う)が、現実のウイルスとの戦いは、こういう今日から解放!オールオッケーという終わり方にはならないよね・・・自粛一部解除で「もう一切大丈夫!」とばかりに集まってお祝いしていた人たちって、この小説を読んで勘違いしてしまったのかも・・・