未解決ファイル・１－７透明「(何だ
・・・気配が濃い・・・。)」浴田「お待たせしました
」透明「大丈夫でしたか
」浴田「はい
色々聞かれましたが、大丈夫です
取り敢えず、入りましょう
」そう言うと、浴田さんが霊安室の鍵を開ける。
透明「浴田さん
申し訳ない
」浴田「
」透明「多分・・・だけど、この中危ないと思う
だから先に私だけ入ることはできないかなぁ
」浴田「えっ
・・・・わかりました
」透明「大丈夫になったら必ず呼ぶから
ごめんね」浴田「それでは私は扉の前で見張っていますね
」透明「う、うん
」何故か浴田さん、スパイ映画の主人公みたいな
いい顔をしているのだけど・・・
と、とにかく、中に入ろう
透明「・・・・・・。」
霊安室は薄暗く、奥に蝋燭台があり、
当たり前だが、かなり寒かった・・・。
透明「ふ～～～っ
・・・やっぱりか・・・」蝋燭台の横・・・何か黒いモノがモゾモゾと
動いている
透明「・・・・餌魂寄(じだまり)・・・。」
奥で蠢いているのは、亡くなった人たちの
身体の一部が集まってできた霊片の集合体。
病院などでは、不慮の事故などで霊魂自体が
バラバラになってしまっている人も多く、
その霊の欠片が持ち主に帰らず、何かの核となる
陰気に飲み込まれてしまうことが稀にある
私達はこれを餌魂寄と呼んでいるのだが、
これは読んで字の如く、悪魔や悪鬼の類いの
餌になってしまうことがあるからだ
その上、餌魂寄の問題はそれだけでなく・・・。
透明「お～い
全部解放しようよ～」餌魂寄「う・うう・・ううう・・・いやだ・・・。
いやだ・・・・いやだ～～～～っ
」透明「(マズイな・・・かなり溜め込んでいる
)」餌魂寄には核があり、そこには人の思念体が必ずある
特に今回のような餌魂寄を作りだしてしまう思念は
共通して恐れや不安といった感情で構成されている
ことが多く、その不安や恐れから、人の霊片を集め
身を守る鎧のように餌魂寄を利用しようとする。
透明「(う～ん
・・・思念体である以上意志もあるから、やりにくい
)１０秒だけ待つから、それまでに
集めた霊片を解放してくれたら
ちゃんと成仏させてあげるよ
」餌魂寄「い・い・い・いやだ～～～～～っ
」透明「
」いきなり叫びだした餌魂寄は、私に向かって
突進してくる
もし、このまま無防備に突っ込まれると
当然、私の魂の一部も持っていかれる
透明「やっぱ、こうなるか
」眼の前５０センチの所まで餌魂寄が迫っている
もう、避けることはできなさそうだ
続く・・・。
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