観測にまつわる問題

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反乱は支持しない

2009-07-02 16:01:57 | 政局・政治情勢
報道によると、麻生おろしの動きが水面下に潜ったみたいですけど、繰り返しますが、私は支持しません。

麻生氏は先の総裁選で選ばれた瑕疵なき自民党のリーダーで、反乱軍に正統性は明らかにありません。国民との約束(当の国民が忘れているのが日本的なんでしょうが)であるところの衆院選の公約を破れば、危なかったかもしれませんが、それはありませんでした。支持率の低さも関係ありません。代議制は選ばれた人間を信認するところからしか始まりません。麻生氏の支持率は当初高かったですし、麻生氏を選んだ自民党の代議士を選んだのも国民に他なりません。つまり、麻生氏ひとりに責任をかぶせようとする議論自体が誤りなのであって、よく言われる麻生批判・自民党批判・日本政治批判は実質日本国民批判と同義なのであり、新たに選ばれる(かもしれない)民主党も低レベルであろうとすることと同義だと言わざるを得ません。結局のところ、反乱を成功させたとしても、反乱自体に正当性がないのだから、支持される要素がありません。戦前の青年将校の反乱のように失敗するでしょう。

こうした流れになるのは、政策論争を避け、人に注目しすぎる・皆と同じであろうとする日本人の一般的な性向が、民主主義を通じて政治に反映していると考えるしかなく、改革の方向性としては、逆の流れ・政策論争をするという方向性しかありません。麻生氏が選ばれた過程で惜しむらくは、論戦が少なく和気あいあいとしてしまったことでしょう。激しい議論が行われていれば、麻生氏が当選するにしても、準備はより出来ていたと考えられます。

麻生おろしの話に戻ります。実質派閥連合の長であった頃なら、派閥の領袖の意向で首相の首が吹き飛ぶことは有り得たと思います。私自身は、議院内閣制のルールの観点から言えば、それは問題なかったと考えます。大政党に派閥・グループがないことは考えられず、自民党総裁は自民党国会議員のリーダーなのだから、党内の意見を無視して物事を決められるわけがありません。間接的な国民の意志(中選挙区制の問題を脇に置けば)の反映とも考えられます。実際、民主党でも、大連立騒動で小沢元代表が反乱にあって、涙を流し撤回、何故か戻ってくれで復帰という茶番があったのは記憶に新しいところで、意思疎通のしにくい大政党では、どういう形であれ、党内民主主義を意識的にやらねばなりませんし、システムとして必要です。誤解のないよう付言しておくと、党内民主主義とは、「みんなの意見」の通りに動かなければならないという、リーダーを選んだ意味が全くない、日本的なムラ的意思決定のことではなく(近代国家のリーダーを選ぶやり方ではない)、選挙で選んで直接民主主義的な正統性を付与するということであり(議論はやった方が後で後悔しない)、最後まで支えるということです。派閥連合から直接民主主義的な選び方へのこれまでの日本の流れ自体は、首相の質云々の話はともかく、国民の望む選び方の形ということで、直接民主主義的な正統性を考えれば正しい(個別の政策を世論調査で結論を決めてしまう世論調査政治は誤り)と考えられ、派閥連合はルール的には問題なくても、政党間競争を通じて淘汰される流れにあったと考えていいと思います。話がいろりろ飛びましたが、首相の意思に反する反乱は現在では不可能であろうということです。

後、気になったのは、報道上の麻生首相がぶれたという問題です。首相は公言していないのだから、次同じようなことがあれば、首相サイドとしては、事前に密室で党内実力者と予め協議しておくしかありません。きっとそれが正しいのでしょう。麻生首相に問題があるとすれば、意向が洩れてしまうことで、ドンと構えて意見を採用する態度・意向を隠し切る意志が薄いということでしょうか。