午前中の仕事を終えランチをとった後カルカッソンに出かける。
ダン・ブラウンのダ・ヴィンチコードやケイト・モス のラビリンスの小説の影響だろうかここ数年この界隈はそれらの場所を散策しようとするツーリストで特に夏はごった返している。
9時半のバレエ開演までカルカッソン旧市街シテの城壁内を久しぶりに歩いてみる。
大きなマロニエの木に覆われたスクエアは所狭しとテーブルが並べられアペレティフや早めのディナー客でうめつくされている。
7時頃には夕食をとろうと思っていた考えはすべて打ち砕かれリザヴェーション無しでは良いレストランにはありつくことが出来ないことが判明、
数軒回った末ようやくテーブルを確保することができた、キャンプなウエイターがすべてを取り仕切っているらしく次々にやってくる客を大仰な身振り手振りで客をみごとに案内し早々に全席うまってしまった。
味もこれにしたがうと良かったのだが。
パリオペラ座のダンサーを見るのは久々の事だ。
エトワール達とは謳っているがなじみのダンサーはただ二人、ベジャールへのオマージュと題されてはいるが彼の作品はただ一つ、しかし総体的には盛りだくさんの演目と近い将来確実にエトワールになるであろう20歳の青年マティアス・エイマンの自信にみなぎった踊り、ソロイストのなかにはパワフルそして正確な技術を備え持ったダンサーが目に付きコヴェントガーデンでは見ることのできない一夜を堪能することができた。
御大ローラン・イレアの一部でのロットバルトの出演がキャンセルされた為最後の演目「さすらう若者の歌」を誰が躍るのか気がかりだったが照明に照らされもう一方の御大マニュエル・ルグリとの二人の姿を見て安心する。
10年以上前に観たシルヴィー・ギエムとのドゥ・グリュゥ役の若くはつらつとした風貌を望んでいたわけではなかったのだがその姿を見ながら確実に月日の経過を感じるものだった。
そして踊りが進むにつれいたるところに映像で見たヌレエフの動きと表情を感じとったのは僕だけではなかったはずだ。若い頃ヌレエフに強く影響され育ってきた証しを見ることができたことはこの上もない歓びだった。
鳴り止まない拍手を後にしたのはすでに真夜中を過ぎていたはずだが
次回この野外劇場に来る機会がある時はクッション持参を心にとめておこう。
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