前回はフランスにいたため作ることができなかったがあるファッションデザイナーのチュチュへの傾倒はいまだ絶ち消えてはいないようだ。
先日納入した巨大なペティコートチュチュのその後の反応が数日なかったので気がかりだったが色違いで同じものを作ってほしいとリクエストがきた。
さすがに１作目の２メーター以上のトレインは長すぎたらしく控えめな長さになった、それでも３０メーターは必要になりそうだ。
ファッションショーでは風変わりなもので人目を引かせなくてはならないのだろうか年に数回はあるショウを毎回少なからず違ったものをだしていくのは大変なことに違いない。
陶器のティーポットを買ってはみるもののいざ使ってみると注ぎ口からお茶がたれたり洗うのが面倒だったりいつも棚の奥に眠ってしまう。
かといってティーバッグの紅茶では午後の味わいのあるお茶は楽しめない。
誕生日にもらった銀の茶こしを活用しなくてはと思いいろいろ探しまわっていた。
そこで見つけたのがこのステインレスのティーポット。
すでに二週間ほど毎日二回は使ている、軽くて割れる心配もなく洗いもとても簡単。
次はいろいろなお茶の飲み比べ。
ワークルームの全てのスペイスを占領していたチュチュがようやくオペラハウスに届けられさっぱりした。
明日木曜日が初日の新作オペラ アナ ニコール に関わってきたスタッフは今更じたばたするわけでもなくただ待つばかり、
それにひきかえ二週間後の新作バレエ アリス に関わっているスタッフは上から下へと走り回り対照的なバックステイジ。
それとは別に僕はまたもや巨大なチュールのスカートの制作にとりかかる。
一着３０メーターのチュールは必要だろうと推測していたが出来上がる頃には５０メーターは使いはたしていたはずだ。
バレエコステュウムでは考えられない大きさだが何より踊れる事を度外視して作れる事は楽しいものだ。
今週末から始まるロンドンファッションウイークに使うのだという。
インターネットの接続が悪かった二日程だったはずなのになぜか数日ほど世間から切り離されたように感じるのは依存症気味になってきているためなのだろうか、
インターネットに費やしている時間をほかの事にまわしたらもっとさまざまな事ができるはずだが。
そんなおかげでカードチュチュの仕上げは日ごとに進み来週には全てが完成している事だろう。
来週から始まるドレスリハーサルの前に一つだけ完成させ試しに踊ってもらったところ問題はなく肩のリフトまでこなしたという。
この目で実際に見るまでは信じられない事だが新作アリスにかける意気込みがあちらこちらから伝わってくる。
