麓にある町のマルシェは毎週木曜日に開かれる。
そのマルシェが開かれる教会のあるスクエアの角の家の前に時おり佇んでいるその昔は娘だった三人の老女達をよく見かける。
陽当たりの良い家の前に椅子を持ち出しとりとめのない話しをしているのだろう。
その家は普通の家の門構えとは異り以前は何かの店だった名残のある大きなアールヌーボー調の安普請な木の窓枠で飾られている。
ある時その店の前を通りかかりショウウインドウから中を覗いてみるとなんと古い足踏みミシンと裁断台の上には黒光りした
アイロンが鎮座しているのが見えた。
もうすでに商売はしていないのだろうと思ったがなんとマネキン人形には作りかけのドレスが掛かっていた。
あの老女の一人ははこの町でただ一軒のドレスメイカーなのだ。
そのまま映画のセットに使えそうなたたずまいですね。しかも現役!
私は隣駅のはちみつ専門店に買物に行き、帰りにあたりを歩いてみたら、すごく古そうなクリーニング屋さんがありました。木造で、隅々までくすんだ水色のペンキが塗ってあり、ちょっと傾いていましたが素敵な店でした。こちらも現役のようです。黒光りするアイロンが見えました。
しかし昨今、古い店はどんどんつぶれてなくなっていきます。近所のお風呂屋さんは5月に閉店。12月には取り壊されてマンションになるようです。あんなに立派で特徴的な建物なのに、残念!
おはようございます
この手の仕事は目と頭がしっかりしていれば長続きするものです,ボクの友人も77歳で現役です。
この老女達は姉妹かもしれません,もしかしたら親子ということもあるかも。
特に日本の風呂屋さんは家庭風呂の普及で客足が遠のくのですね,気がついたときには無くなっていたとは寂しいかぎりです。でもよくここまでもったものですね。