また夜中に目覚めて眠れない。何故心がこう騒ぐのだろう?
今日は終戦記念日だが、戦争のために沢山の命が失われたが、そのお陰で
今の私達は平和で恵まれた生活ができるのだと、感謝の気持ちは一日も
忘れた事は絶対にない。
中学生と小学生で終戦を迎えた私達、その辛かった思い出は数限りなく
ある。認知症の治療法として「回想法」があるが、それは楽しかった昔
を思い出してながらいろいろな話しをする方法だ。
でも、戦争は私達には楽しい思い出などほとんどなく、戦災で家が
焼かれたり、疎開したり、いつもお腹が空いていた、真夜中に空襲警報
で防空壕へ入ったなど、ほとんど恐ろしく、辛いことばかりだ。
でも、戦後の目覚ましい復興によって、同世代に青春時代を迎えた
からこそ感じた、楽しい思い出も沢山あった。
さんざん話した後、「それに比べたら、今は幸せだね」で締めくくる。
そんな意味では、治療法の「回想法」を自然にしているので、介護者と
しては恵まれていると思う。長い結婚生活では、大らかで明るい夫は
繊細で過去の失敗をいつも悔いていた、私の性格を変えてくれた。
そして今・・・穏やかで幸せな高齢期なのに、何故心がこう騒ぐの
だろう?記憶力が衰えたための努力は、毎日結構大変だ。
明らかに身体能力は衰えて、動作が緩慢で疲れやすくなり、時折物
凄くもどかしくなる。「もう歳だから、ゆっくり、のんびり」と
セーブするが、時折インナーヴォイスが、ある言葉で私を駆り立てる。
老化に逆うように・・・そのため、また眠れない。