人生修行の旅

「笑って、野垂れ死ぬ!!」
そのために、この人生をどう生きて、この命を何に使うか?人生一度きりの生き方を実験中!!

富士登山2022③~生きているうち~

2022年07月13日 | イベント
まだ外は真っ暗な2時30分に出発です。





さっきまでの強い風と雨は、幸いにして止んでくれています。

不安だけどゆっくりならなんとか登れそうという方々と

体力・気力が充実している方々とで2つに分けて、

前者の方々を前にして、後者の方を後ろにして後方から前にエネルギーを送ってもらいます。

いつの間にか「ご縁あってここにいるみんなで一緒に登頂したい!」

という気持ちが出てきて一つのチームへ。

30分ほど歩くと雨が降ってきました。

「雨具を着込み、トレランシューズの方は足にビニール袋を被せていきましょう。

手袋の上にはビニール手袋をしてください。

今やれることは何でもやりましょう!」





雨は降ってくるけど、幸運にも風は強くない。

フードを被り視野が狭くなったお陰で、

参加者もゆっくりゆっくりと目の前にだけ集中して、

フードの隙間からでるヘッドランプの明かりを頼りに着実に歩いています。

道中に誰かがポケットやザックから落としてしまった様々な魔法のかけらを拾い、

見えない力もお借りするために何でもやらせていただきます。


山小屋の方に声を掛けてみると、

「今、休憩だけはやってないんですよ。宿泊の予約だけなんです。ごめんなさい」

断られてしまうけどこれは想定通り。

「いいペースなので、このまま歩き続けましょうー!!」


外が明るくなりみんなの疲れも出てきた頃、

山頂までの山小屋で最後にあたる3450メートル地点の

御来光館で食事休憩を取らせてもらえるか聞くと「大丈夫ですよ!」との有り難い返事。

「ラーメン、おでん、おしるこ・・・」と威勢よく頼み、

全員が美味しそうに温かい食べ物を食べています。





誰も高山病等の様子もなく食欲も旺盛なので、ホッと一息。

「60年ここで山小屋をやっているよ。あと少しだからがんばんなよ!」

歌謡曲を聴きながら深いしわと微笑ましい笑顔の御来校館の仙人にお礼を伝えると、

「ここでウォーミングアップは終了です!ここから本気を出していきましょう!」

雨もほとんどあがり、山頂までラスト90分が始まりました。

ちょっと歩くけば心臓が激しく鼓動します。

裏からくる方々に道を譲ろうとしても「どうぞ!どうぞ!」お互いに譲り合い。

顔は笑顔でも誰だってここまで来れば苦しいのです。





歩いては休み、歩いては休みを繰り返し、







上を見上げるとガスの隙間から山頂の鳥居が見えてきました。





















「生きているうちに富士山に登りたいと思っていたけど、本当に登ることができた!!!」

3年前に股関節の手術をして、生まれてきてから今までの挑戦と言えば、

近所のマラソン大会の3kmに出たことと20kmのウォーキングに参加したことだけという

50代の女性が感嘆の声を挙げる。

「これは私の中で一生自慢できます!なんだか強くなった気がします!」

「一人では絶対無理だけど、みんながいたからここまで頑張れました!」

延々と続く下山の砂利道も

登頂した喜びを噛みしめていました。

足が疲れた方でも楽に進める裏技を使いながら全員が無事に五合目へ到着。









天気予報では8時間ほど雨が降る予定でしたが、実際に降られたのは2時間ほど。

どうやら富士山は温かく迎え入れてくれたようです^^


今回の富士登山に申し込み参加してくださった方々、
Tシャツのデザインとみんなを笑顔にしてくれた宙さん、
随所で様々な配慮をしサポートしてくれた本村トレーナー、
美味しい食べ物と心休まる場所を提供してくれた山小屋の皆さん、
的確な生の富士山情報をくれた富士山ガイドの伊藤さん、
御一行を温かく迎え入れてくれた富士山、

本当にありがとうございました!!

「いい経験はいい人生を創る」

長文をお読みいただきありがとうございました。

おしまい


PS 金星からやって来る余裕がなかったことに猛省中の今日この頃。。。

有り難いことに今週の土日も富士山サポートのご依頼をいただきまた行ってきます!

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富士登山2022②~雲の上の世界~

2022年07月13日 | イベント
緩やかなくだりから始まる富士山道。










泉ヶ滝と呼ばれる小さな滝のところから

延々と続く登りの山行がスタートです。






「なんだか空気が薄い気がします。」

「夢の中にいるみたいです。」

曇っていて見えない下界と上界。

見えているのは今ここだけ。




念願の富士登山に挑んでいるとい実感が少しずつ湧いてきたようです。

「そのTシャツいいですねー」

と6合目の安全指導センターで働く方々が声を掛けてくれます。

「いいでしょー^ ^デザイナーもここにいますよー」




今回の富士登山にあたり画家の村上宙さんにデザインを依頼。

感性に任せてお願いしたところ、富士山と龍の絵を仕上げてくれてました。

「木花咲耶姫(富士山本宮浅間大社にも祀られている山の神様)が好きなんですよ!

それなのに富士山は初挑戦です笑。貴重な機会をありがゴールド!」と

満面の笑みで、

いつも参加者を笑顔にしてくれているデザイナーは、

すれ違う登山者にTシャツの事を褒められてご満悦^^




6合目の途中で雨が降ってきました。

すぐに雨雲レーダーで確認すると

約30分は雨が降る様子です。

「皆さん雨具を着ましょう!」と急いで着ることを促すも雨は3分程度で止んでしまいます。

「雨具を脱ぎましょう!雨具を着るいい練習になりましたね!」

前向きに捉えて、

前向きなり言葉をかけ続けることで、

きっと流れも良き方向へ。

ストックを使いながら

一歩一歩ゆっくりと力をなるべく使わずに、

砂利道を登ること約1時間ちょいで

7合目の目安になる山小屋へ到着です。

小屋の前で座って休ませてもらいながら

下界を眺めると、

ガスは消え去り雲の上の世界からの眺めが広がります。








「すごーーーい!!自分が雲の上にいるなんて信じられない!!」

これは夢でも幻でもなく、

自分で登りたいと決めて申し込み、

自分で行動を起こしてきたから喜びもひとしおです。

ちょっと登っては休んで息を整えてを繰り返して、

ようやく初日のゴールである8合目標高3100メートルの山小屋「太子館」へ到着です。












「聖徳太子が馬に乗り富士山に登った時、休憩した場所がこの場所であった」という伝説に由来しているこの山小屋は、高尾山修験道の行者の方々も富士登拝修行の際にはこちらの山小屋に立ち寄るようです。

エネルギーが湧き出る夕食を食べ終えると20時には就寝です。

「眠れないと思いますが、寝てください!目をつぶってリラックスしていれば身体は回復してくれますから大丈夫です!明日は2時起床の2時30分出発で行きましょう。」

囲炉裏を囲み明日の相談です。




「来週も富士山には個人ガイドで来てその際に登頂はしますから僕は大丈夫ですよ!」

という言葉に甘えて、8合目をゴールにしてのんびり下山する方々を抜群の安定感でいつも山行をサポートしてくれる本村トレーナーに託します。

仕切られた寝床につき雨雲レーダーを見ると、

明日に山を歩く時間が雨雲で覆われています。。。




うーーーん、どうしよう。

様々なシチュエーションに備えて、

できうる限り安全に山頂を目指すとともに、

色々な事を想定してエスケープルートや

休憩場所も確保しなくては。

昼間に電話で今期の富士山ガイドをする友人から得た

生の現地情報とこれからの天候、

参加者の能力、性格、などを考慮すると、

今回山頂まで行けるかは結構ぎりぎりだ。

そういえば今回の富士登山の企画を募集した後も

五合目までのバス運行が1か月前になっても

なかなか決まらずに、

7月8日からバス運行開始とぎりぎりで企画が

遂行できている。

24時頃、雨音が強くなり風が強く吹いている。

以前に派遣でお弁当工場で働いていた頃、

レーンからおにぎりを落とした時に、

「このおにぎりは私たちにとっては、

何万個のうちの1個かもしれない。

ただ食べる人にとっては大切な1個なのよ。

忘れないで!」

と言われたことを思い出した。

参加者にとってはこれが

最初で最後の富士登山になる人もいるかもしれない。

絶対は言えないけど、最大限できることを行い

山頂を目指すためにできることを尽くそう。

みんなの力を集結すれば、

富士山もきっと迎え入れてくれるはずだ。

つづく
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富士登山2022①~挑戦のプレッシャー~

2022年07月13日 | イベント
*2022年7月9日、10日に開催した富士登山サポートの記録です。

朝9時15分に新宿のバス乗り場に向かう前、

「お腹が痛くて昨夜からトイレに何度も行ってますー」

とLINEで連絡が入ります。

「緊張しているから証ですね!今回は富士山頂ではなくて新宿駅をゴールにしましょう!」

サポートをお願いしてくる方にとって、

富士山へ登るということは大きな大きな挑戦です。

東北や東京近郊を中心に40代から70代まで(平均年齢60代)の参加者とスタッフ含めて13名が集結。

初対面でも何かしらの“匂い”を感じて、自然に親しくなる様子です。






交通渋滞で遅れるのも想定内、約30分遅れの12時45分に富士吉田口五合目に到着して

からは、まずはのんびり自由時間。








焦ってすぐに登山しようとすると約2300mの標高に身体が馴染めずに、

不調になりやすくなります。

食事をする方、冨士山小御嶽神社に参拝に行く方、着替えをする方、

荷物の整理する方など多種多様です。

「富士登山ができる、この時を待ってました!!」

「初めての富士登山で不安ですが、皆さんについていきます」

「10回目の富士登山です。節目をつけたくてやってきました!」

「いつも遠くからみていた、夢だった、山頂に行きたいです。」






自己紹介で個々の想いを聴くと、

それぞれが日本一の山に挑む“理由”を背負っている気がします。

「これから富士登山がスタートしますが、リラックスしていきましょう。

 手足ぶらぶら、身体全体もゆるゆるにして、横隔膜も柔らかくして

 深い呼吸が自然にできるようにしていきます。




 張り切らずに、フワッフワッと軽く登っていきましょう。」

そんなお話とウォーミングアップをして五合目を出発!!

つづく




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