5月27日(土)に実施した南房総を43km超歩くイベント、その名もチバルルマラニック。
お世話になる上総興津駅前のカフェと千倉海岸付近にあるゲストハウスの距離をスマホで調べたら約41km。実際に歩いたら43km超。
歩くのにちょうどいいかも!?
軽いノリでできたこのイベントに、挑戦とは程遠い世界で生きてきた人々など参加者、同行サポーター合わせて18名が参加されました。
主催から
○行程は臨機応変に、
○流れにのって、
○大体のことはいい塩梅で、
と3つのお願いを話され、同行サポーターによる仙骨を意識した体操でウォーミングアップ。
初対面の方同士でも緊張せずに歩けるようにと便宜上の3チームに分かれて自己紹介。
午前9時45分頃に上総興津駅近くの海岸をスタートしました。
道を歩いていくとクワの実やビワ、さくらんぼ、蛇イチゴなど食べられる自然の恵みが出迎えてくれます。
随時エネルギーを補給しながら、晴天の房州往還を通ります。一説には江戸時代の初期からあったという道は、今や忘れ去られたように人はあまり通りません。そんな道をワイワイ歩き、風を通していく参加者たち。
鯛せんべい屋の前を通れば、おばちゃんが鯛せんべいを食べなと全員に配ってくれ、
昔ながらの商店に立ち寄れば、おばちゃんが自家製のドライフルーツを食べなと全員に配ってくれ、
若くして地球を旅立った人を供養する西院の河原地蔵尊に立ち寄れば、おばちゃんが塩飴を食べなと全員に配ってくれました。
やりたくてもやれなかった人達の想いも勝手に背負い、前に前に進みます。
事前案内では「エイド(休憩所)の食事は期待しないでください!!」とあったのに、エイドに立ち寄るたびに
本場のインドカレー、
栗とバナナが入った絶品デザート、
玄米を甘くした栄養満点食、
と期待を大きく裏切られる食事の数々。
「こんなにエイドが充実しているなんて聞いてない!!」
という参加者に
「私も今この瞬間まで何が出るか知らなかった!」
と言う主催者。
暖簾に腕押し、流れのままに。
休憩毎に座り込み、身体を休ませて足をほぐし、"今"できる最善の行動をする参加者たち。
残り12km地点。
疲れた方に向けて練りに練ってきた台車を披露すると「それに乗るくらいなら必死に歩くよ!」と参加者たちの心の声が聞こえてきました。
弱音や愚痴を言わずに、
誰もが前に前にと強い意志を持っている。
「後800mしかないのかー」
参加者、同行サポーターが一体となり、一つのボールになったような不思議な感覚を誰もが感じていました。
ゴールしたいけど、ゴールしたくない。
ヘッドランプと蛍光タスキをかけて海岸沿いの道をひたすらに歩き、辿り着いた千倉海岸。
約12時間くらいかけ、43km超の道のりを全員が無事にゴールしました。
「1人じゃできないし、やらないけど、みんな一緒だからできた」
「ご縁を紡ぎ、限界を超えた」
「苦しい時に人の人間性が出る。素敵な仲間と共に歩けたことは一生の誇り」
「想像以上のミラクルがあり、予想を遥かに上回り得たものが大きい。」
「頑張れた自分を褒めてあげたい。感動しました。」
軽いノリのイベントが参加者にもたらした満足感や充実感は軽くなかったようです。
つづく