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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『2012年秋、穂高岳山行記①』-「奥又白」・「北穂」の池巡りから全穂高走破のつもりが、思わぬ展開に

2012-10-07 09:34:06 | 山・旅行

  【2012年9月22日】 第一日目

 今年もYさんと山に出かける。2ヶ月以上前から立てた計画は、今回私の希望を通して、《穂高尽くし》に決めた。かつては毎年のように穂高に通っていたが、実に5、6年ぶりの穂高である。胸が高鳴り、心が躍る。

 ありきたりのコースでは面白くない。
 『新村橋』から奥又沢を上がり、パノラマコースの分岐から『中畑新道』に入って、まず最初の目的地『奥又の池』に行く。そこから前穂北尾根の『5・6のコル』を通過して、涸沢にでてそこで1泊目。(第1の目標)
 2日目は、北穂を目指すが『北穂東稜』経由で登り、途中『北穂の池』に寄り道をして、再び『東稜』に戻って『ゴジラの背』を越えて北穂小屋に行って2泊目。(第2の目標)
 3日目は、『北穂』から『穂高山荘』までで、そこが宿泊予定だが、時間が余るので、身軽にしてその日のうちに、3つ目の目標である『ジャンダルム』を往復しておく。
 4日目は、『穂高山荘』から再び『奥穂』の頂上を通過し『吊り尾根』を『最低のコル』までいって、そこから直接『前穂』の頂上をめざす。そして、頂上から『北尾根の第3峰』まで下がり、ロッククライミングのスリルを味わう。(4つめの目標)
 そして、その日の内に『重太郎新道』で上高地に下山する。
 休みは5日取って、もう1日は予備日。

           

 こんな計画を立て、日が近づくにつれ詳細を詰めていく。車で行くか夜行バスで行くか。車で行けば自由がきくが、第1日目の日程がきつくなる。天候のこともあるので9月中旬と下旬の2通りの休みの準備をしておくが、勤務の都合で後半の日程しか取れなくなってしまった。どうしようかと思っている内に夜行バスも予約を逃してしまう。
 台風が近づいて天候が荒れることが分かっていれば中止することにしていたが、あとは運を天にまかせるのみだ。


 22日の朝7時、Yさんが新車のデリカで迎えにくる。天候は晴れ。翌23日の日曜日が小雨模様で少しぐずつくようであるが、向こう5日間は大体晴れの天気予報。
 第一日目は《移動日》にして、その日は『徳沢園』に泊まることにした。
 上高地に6時近くに到着して、それから『奥又池から5・6コル』経由で涸沢まで入るのは、昔ならいざ知らず、時間的にも体力的にも無理だと判断した。だから、出発も朝7時と遅めにした。

 『名神』と『東海北陸自動車道』を通って、10時半すぎ『飛騨清見』を通過、途中寄り道をして12時15分平湯の『あかんだな駐車場』に到着。そこに車を置いて、シャトルバスで午後1時15分、上高地に入る。
 終点のバスターミナルの1つ手前の『帝国ホテル前』でバスを降りる。ここから全て徒歩である。

                                                     


 坂を下りていくと『上高地帝国ホテル』の赤い屋根が目に入る。周囲の緑と空の青と銀色に輝く穂高の峰とのコントラストは美しい。


                                         


 この『帝国ホテル』には以前、1度だけ泊まったことがあるが、値段もさることながら、そのサービスは見事なものだった。ベランダから見た早朝の岳沢の神秘的なまでの美しさを思い出す。
 田代橋を渡り、『ウェストン碑』の前を通り『河童橋』に向かう。
 梓川をへだてて向こう側には『霞沢岳』がそびえ正面には『明神岳』が立ちはだかる。 

                                                       
                



 『河童橋』周辺は観光客の歓声であふれていた。河原に下りて記念撮影をする団体の人々や橋の上から『吊り尾根』を見上げる人、売店で土産物を探す人でごった返していた。自分らもその中に混じって、《上高地観光》をする。


                             


 改めて、目の前に立ちはだかる穂高の山々を見渡す。こうして実際に来てみると、やはり迫力がある。


      

 いつも写真で見ているのは、美しい景色だけれど、画面が小さいのでこじんまり収まってしまっている。目の前の実物は、見上げる角度が大きいし迫ってくる感じだ。来るたびに感じるのだが、やはり本物は違う。大きさ、臨場感に圧倒される。A4のパネルでは到底再現できない迫力がそこにある。

 
                                                  



 今日は『徳沢園』まで行けばいいので気楽である。梓川の右岸のほぼ水平な道を明神に向かい進む。この辺りはまだ観光客の来れる範囲であるから、街の軽やかなファッション姿も見られ、すれ違っても挨拶なしで通り過ぎていく。それにしても数年前に比べ、若い女性の登山者が目につく。                            

                                                   


 明神橋を渡り、左岸に出てさらに進む。明神岳や前穂の尾根を左に見ながら淡々と歩む。


  


 上高地から2時間ほど歩いて、今日の宿泊地『徳沢園』に到着する。山小屋は基本的に予約不要で、「泊まる」と言う者を拒むことができないが、ここはどんなんだろうと思っていたら、半分《宿》で半分《山小屋》だった。ロビーは一般のホテル風だが、施設を使い分けしているようだ。
                                            



 《山小屋》扱いの部屋は、一般の山小屋からは想像できないしゃれたもので、約1畳の区画に区切られた間取りが与えられていた。かなり以前泊まったときは大部屋に雑魚寝と記憶していたから、これも時代の進歩なのか。


                     


 しかし、まさか山に入って風呂に入れるとは思わなかった。こぎれいな風呂で1日目の汗を流し、レストランで、これまた山小屋の食事とは違った料理を食べる。何か、山小屋にいるのではなく街の居酒屋に居るような錯覚にとらわれる。



                                         


 ともあれ、エビスで乾杯する。明日は、5時置きの早立ちである。
  
                                           【つづく】




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     2012年9月22日・北ア穂高連峰山行(1)
     

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