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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

鈴鹿山系・鎌ヶ岳に登る-水沢峠から鎌尾根をたどって-その2

2010-05-23 20:27:04 | 山・旅行
         【鎌尾根からの鎌ヶ岳】

   【2010年5月15日】 (つづき)

   
 9時10分に麓の「宮妻キャンプ場」の駐車場を出発して、11:30分に「水沢岳」頂上に到着する。

 「水沢岳」の頂上はどこが本当の頂上かと思うような、あまり見通しの利かない平坦な「縦走路の途中」という感じの所である。
 2つの標識が「山頂だ」と知らせる。

                                
                                 【水沢岳頂上-通路状の平坦な頂上】

  



 水分を補給して、直ぐに出発。しばらく行くと、花崗岩が風化したもろい岩場の急な下りがつづく。足の置き場を慎重に選ばないと転んで滑り落ちそうである。

 右手前方を見ると、初めて鎌ヶ岳がその姿を現した。ガスがかかり、頂上の鎌が見え隠れする。
 じっと待って撮影チャンスを窺う。待つこと10分、ようやく矛先を現した「鎌ヶ岳」をカメラに納める。


                
               【なかなか全容を現さない「鎌ヶ岳」-水沢岳の下りより】


 「ガレ場」を下りきるとあとは、ほぼ水平な気持ちの良い縦走路が続く。るんるん気分で気持ちの良い水平な道を進む。
 振り返れば、さっき降りてきた「水沢岳」直下の岩場が目に入る。


    
     【縦走路より「水沢岳」を振り返る
        -頂上直下の白い部分は降りてきた「ガレ場」】


 空を見れば、雲も切れ青空が広がってきた。


             


 だんだん鎌の矛先が近づいてくる。鎌尾根の核心部も詳細な姿を現してくる。


                       


 鎌尾根の核心部-恐竜の背中のような痩せ尾根のギザギザのアップダウンもこの先を右に回り込めばすぐそこだ。のどかなハイキングコースのような道の向こうに、木々の間からこれから臨む鎌の刃が見える。
 道の右側は谷が鋭く切れ落ちているのに、左手は木漏れ日のあたるなだらかな傾斜地だ。


   


 いよいよ、カメラをしまい手袋をして、岩場に取りかかる。思った以上に危険なところはない。ただ一カ所、大きな岩の間をまっすぐ上にでるか、沢沿いに降りてトラバースすべきか迷った。岩はギャップが大きくしかももろい。体重をかけたら崩れて転落しそうである。いけないこともないと思ったが、普通ではないと感じ、降りたくない谷筋を5メートルほど下ったら、大岩の下を迂回するルートがあった。ここの山で「あんな無理はさせないわなー」と思った。
 ともかく、標識が少ないというか、ほとんどないから気が抜けない。






 ようやく安定した岩の上にでて振り向くと、前方には「御斎所岳」が、左手には「雨乞岳」が悠然と構えている。
 そして、正面には鎌ヶ岳が対峙している。




      【鎌尾根越しに鎌ヶ岳頂上を臨む】

 頂上までは、もうあとわずか。指呼の距離になってきた。頂上に人影が見える。
 あと何枚かの"歯"を超えて『岳峠』に着けばすぐ頂上だ。気がはやる。
 
 目の前の岩峰を超えれば、もうすぐ「岳峠」だ。


                
                   【鎌尾根、最後の頂きの岩峰】


 13:25分、『岳峠』到着。ここはしっかり標識がある。帰りはここを右に折れ、カズラ谷経由でキャンプ場に戻る。


    
   【岳峠-帰りはここから雲母峰・カズラ谷方面に折れる】


 1分(20mほど)も歩くと、今度は足下に小さな標識。「長石谷」を経て『湯の山温泉』に下る道だ。


                        
                             【長石谷への分岐の標識】


最後のガレ場を登る。

 上から人が降りてきた。出会う人は2人目である。狭い岩場で行き違う。
 ガレ場を登り切り、左におれ急な岩場を登り切ると、14:00少し前、頂上に到着。




  【岳峠より直下のガレ場(左手を登る)】


 頂上には別のルートから登ってきたのか、男女混合の賑やかな中高年4人組のグループ。景色を一通り眺めたあと、シャッターを押してもらおうと思ったら、「お騒がせしました。」と言ってさっさと下山してしまった。

 快晴の頂上にひとり取り残される。思い立ち、下で買ってきた「チューハイ」を一気に飲む。むっちゃ、気持ちいい!



                  
                    【鎌ヶ岳頂上と御斎所岳遠望】


 ひととおり景色を満喫したあと、家で握ってもらったおにぎりを食べる。こんな晴天で気持ちいいなら、もう1本、ビールを買ってくれば良かったと思ったが、あとの祭り。ポカリで我慢する。

 別の一行がやってきた。日曜だから、もっと混むと思っていたが、意外と頂上は閑散としている。前の時は、頂上狭しというくらい人で溢れていたのだが。今時、やはりしんどい登山ははやらないのかと思う。
 大自然と降り注ぐ太陽を独り占めする。もったいないことである。



  
     【頂上より南方面の切り立った「鎌尾根」の全容
          -右に大きく振って中央「水沢岳」に至る】

 
 下山の前に、もう一度頂上の広場を一周して景色を楽しむ。



                                   
                                           【麓の街を見下ろす】


 
        【湯の山温泉街もすぐそこだ】


 あとから来た一行も出発してまた静寂が戻ってきた。

 こちらもぼちぼち出発しないと今日中に帰れなくなる。
 14:40分、頂上を出発。

 
   
        【頂上直下からの「鎌尾根」核心部】


 ガレ場の上部から、先ほど来た来たルートを確認する。あそこを通ってきたとは思えないくらい切り立っている。

 『岳峠』まで戻り、派手な標識にしたがい、左に折れる。下りと思ったら、しばらく登りがつづく。登り切ったところで、道がT字に分岐している。標識はない。右に直角に曲がる道がしっかりついているので、『カズラ谷』への道かと思い、進む。だんだん急な登りになり、5分ほど歩くと「鎌ヶ岳」頂上と対峙する頂きにでてしまった。その先を見ると、鎌尾根に通じている。道を間違えた。

 でも、おかげで違う角度から、「鎌」の頂上を眺めることができた。


        
          【間違えて入った鎌尾根の1つの頂きからの「鎌ヶ岳」
             -ルートは陰になった中央のルンゼ状のガレ場についている】


 取り直して元の道に戻る。水平な道を10分以上進んでから、『カズラ谷』への本当の分岐があった。ここに、ちゃんと標識があったが、そんなことは後になってみないとわからない。直進すると「雲母峰」に至る。下山は斜め右方向である。



             
                 【宮妻キャンプ場への分岐の標識】



 ここからはひたすら下りである。京都の人なら知っていると思うが、修学院から『比叡山』に行く「雲母坂」とそっくりの道である。花崗岩が風化して、さらさらの砂のような土が、えぐられた道に堆積し、足下が滑る。しかも秋でもないのに落ち葉が沢山重なって余計に滑りやすい。
 下山は、キャンプ場まで1時間半の行程と地図に書いてあるが、いつも下りは長く感じる。こんなに登ってきたのかと思う。

 滝の音が聞こえてきて、ようやくの思いで「カズラ谷」の両股にでる
 ここでも道に迷った。堰堤があるが、どこから渡って良いかわからない。あちこち探し回って、ようやく道を発見。わかっていればどうということはないのだが、標識の1つでもあればと思う。

 更に進んだところでも、林のあちこちに踏み跡があり広くてどちらに行って良いかわからない。後から人が来て、その人と探る。沢を渡るものか、まっすぐ行くべきか。流れを渡ったその人が、向こう岸に踏み跡を見つけた。進むと、もう1度流れを渡る箇所にでた。目印も何もなしである。沢を渡るのは、それなりに決断がいるので、目印の1つはほしいところである。

 2回目に流れを渡って50mも行ったら、朝通った林道に出た。

 時計は4時半を回っていた。靴を履き替えシャツを着替え家に向かう。温泉に立ち寄っている余裕はない。

 途中、新名神と名神が合流する手前から渋滞に巻き込まれる。草津で高速を下り、国道1号から近江大橋を渡り、7時半に帰宅する。


 行程メモ
  6:35 京都上賀茂自宅出発
  7:10 大津インター
       (名神・新名神) 
  8:15 鈴鹿インター
  8:30 宮妻キャンプ場駐車場着
  9:10 キャンプ場出発
 10:00 登山口入口
 11:00 水沢峠着
 11:10 同 出発
 11:35 水沢岳
       鎌尾根
 13:20 岳峠 
 13:40 鎌ヶ岳頂上着
       昼食・撮影
 14:40 同 出発
 14:50 岳峠
       (脇道に迷い込む)
 15:18 雲母峰とカズラ谷コースの分岐点
 16:40 宮妻キャンプ場着
       (鈴鹿インターから新名神・国道1号経由で)
 19:30 自宅着


                    [おわり]


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