この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

秋の「谷川岳」と「法師温泉」を訪ねる-その4(最終回)

2007-11-05 00:28:02 | 山・旅行
               【法師温泉の情緒ある玄関】

 2007年10月22日(月)、旅行3日目。

 今回の山行で3つのステップ・目標を設定していた。1つは、白毛門に登り正面から谷川岳の全容-特に一ノ倉沢の大岩壁を見ること。2つ目には、谷川岳の頂上に立つこと、そしていずれかのコースで縦走すること、の3つだった。

 2日目を過ぎた段階で、1つしか実行できていなかった。縦走はどうやら無理だから、せいぜい白毛門には登ってみたかった。

 しかし悲しいかな、体力がついていかない。昨日の登頂ですっかり足がまいっていた。頂上からロープウェイ駅への2時間弱の下山でひざの靱帯がやられていた。足をおろし体重をかけるたびに激痛が走る。2年前の剱の下山の時も、御岳の日帰り登山でも同じような痛みが山行の最終段階で出た。
 今回もあと1時間分距離が伸びていたら、まともに歩けなかったかもしれない。だから、縦走は前夜にあきらめていた。軽快したら、白毛門に登る期待を残して。

 しかし、晩に宿の階段を下りるときに、やはり無理であることを悟った。
「明朝、朝食要らないって言ったの取りやめます。食べてから出ます。荷物預かってください。」と女将に告げる。

 一般の観光客と同じように8時に朝食をとり、9時に宿を出発する。大きいザックは宿に預け、荷物はデイバックのみ。天気は昨日以上の快晴。行き先は天神平。登山経路はロープウェイ。
 もうまるで一般観光客である。

 昨日3時間かけて登った標高差を10分で上がる。天神平は平日だというのに昨日以上の混雑である。バス旅行の団体らしく、旗を持った添乗員が集合時間の確認を大声でしている。
 そこから頂上の見渡せる天神峠まではスキーリフトで5分もかからない。距離で3~400メートルくらいか。乗り場で料金を確認すると往復700円とある。ここは意地でも乗るわけにはいかない。



 あたりの木々は紅葉して青空に映えて輝く。冬はゲレンデとなる緑の山肌を左に大きく回り込んで峠を目指す。




              

 少しルートを外しただけなのに、さっきの雑踏が嘘のようだ。さらに進むともうスキー場のざわめきはない。あれだけいた人がこちらには一人もやってこない。人の声も聞こえず、風が木々をゆらす音だけがわずかに聞こえる。芝の上に寝っ転がると視界に大きく秋の空が広がる。

 

 30分ほど、草の上にねっころがっていただろうか。まるで別世界だ。何か夢の中にいるような気分だった。
 起き上がり、峠の神社に向かう。10分も歩いたらもうそこが峠で、また人の波。観光客に混じり、展望台から再度、大きな谷川岳の双耳峰や俎の岩壁をながめ、13:30分の電車に間に合うよう、土合に戻る。


 宿で預けた荷物をもらい、主に礼を告げて土合駅にいく。土合からバスに乗って水上温泉に出る手もあったが、名物の土合駅の下り線地下ホームを見ておきたかった。着いたときは上り線の地上ホームで地下には行っていなかった。
 ホームまでは495段の階段を下らなければならず、約10分かかりますと、地上駅の改札口(駅員はいない)に書いてあった。土産の袋と大小2個のザックを担いで、地下ホームに下りるのに15分かかった。地下道の上から覗くとはるか遠くに地下ホームの明かりがわずかに見える。

              

 こんな駅、地元の人は使うのだろうか? 屈強な山男にしか使えないのではないかと思ってしまう。

  
 来たときと同じように「越後湯沢」を回り、「上毛高原」で上越新幹線を降りる。そこから法師温泉には、途中「猿ヶ京温泉」でバスを乗り継がねばならない。縦走していたらこんな面倒なことをしなくて済んだのだが、着けたかどうかわからない。

 「猿ヶ京温泉」からは村営バスだった。猿ヶ京温泉まで行ったのも2人きりだったが、乗り継いだバスに乗ったは、ぼく一人だけだった。1日に2本しかないバスである。タクシーで行けば2800円かかるという距離を560円で行ってくれる。何か村の財政に負担をかけているようで申し訳なかった。

 「法師温泉」と言う名前につられて予約は取っては見たけれど、こんなへんぴなところにわざわざ来るだけの理由があったのだろうか、とバスの中で不安になる。
 ところが、バスが終点の「法師温泉」に着くと、そんな不安は氷解した。伝統を感じさせる風情のある建物、赴きある玄関。靴をぬいでいると、外国人客の浴衣姿。こんなところにまで来るんだ!と感慨ひとしお。
 来て良かった。部屋に案内された後、ひととおり館内を見て回る。先ほどの外人にも会釈を交わす。


 

 風呂は3つあった。メインは「法師の湯」で一部の時間帯をのぞいては混浴。露天風呂は庭園風で、「法師の湯」と入れ違いの時間帯で男女別。それと、常時女性用の「長寿の湯」。

               
                          【法師の湯】


 10月23日 4日目(旅行最終日)

 朝もう一度、露天風呂と「法師の湯」に浸かりに行く。
 そこで、この旅行一番の珍奇(ラッキー!?)なことが起こった。昨日の、外国からの旅行者が混浴の時間帯に夫婦で入ってきたのだ。「フルムーン」で有名な由緒ある浴場を写真に納めておこうと、買ったばかりの防水のデジカメを持ち込んでいたものだから、片言の英語で会話した後、二人が湯船に浸かったところを見計らって、思わず「May I take a photo.I'l send you,later.」と言ってしまった。もしかしたら、怒鳴り散らされるかもしれないとおもいつつ、夫婦で入ってくるんだから、そんなことはあるまいと反応を伺っていると、「No!」とも言わず、首を横に振るわけでもなく、にっこり笑うので、カメラを構え撮らさせてもらった。その一部始終を横で見ていたおじさんがいたので、ついでにツーショットならぬスリーショットを撮ってもらった。(残念ながらこの写真は公開出来ません。)

 部屋に戻り、急いで朝食をとり、来たときと同じように一人だけの町営バスにのり帰途につく。
 バスは「上毛高原」では下りずに「後閑駅」まで行き、高崎まで出てから東京駅経由でなく新宿経由で小田原まで急行なしの在来線で行き、14:40発の「こだま」で京都に戻ってくる。

    ○    ○    ○

 この記事を書いている今日、メールを確認したら、ドイツからの返信が届いていた。



 

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