遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

滴 り

2020-08-25 16:27:12 | 日記

令和2年8月25日(火)

滴 り : 崖滴り、巌滴り

「下垂る」がことばの原義。夏に崖の岩肌を伝わったり、

苔等に沁み込んだ水が雫となって真下にぽたぽたと落ちる

清水をいう。

用語の発音は近世初期まで、第三音節が濁音で「しただり」

であったのが、後に清音化し「したたり」となった。

季語としては、大正3年(1914年)の「新撰袖珍俳句

季寄せ」に初めて載る。

中国北宋の画家郭煕の画論「林泉高致」の山水画に夏山を

形容し、「蒼翠滴るが如し」とその深緑をしたたるばかり」

と喩えているが、「滴る山」が江戸時代に出来た夏の季語。

この様に比喩として早く「滴り」は用いられているが、清冽

な清水そのものを指す「滴り」が季語となるのは近代に入っ

てから。 

尚、雨後の雫や鍾乳洞等の水滴は「滴り」とは言わない。

懸崖や深林の巨岩等から零れる、清涼な,滴りを見ると思わ

ず暑さを忘れる。(新日本大歳時記、夏:宮坂静雄記述より)

今年は「新型コロナウイルスの影響」で旅行等を取止め、色々

な行事予定(クラス会、会社OB会、町内運動会、祭り等)が

中止となった。

句会の月例会も3月~5月は中止、6,7月開催以降は中止。

吟行俳句も、句会場が殆ど休止の所が多く、止むなく中止。

その所為か、季節ごとの「季語」は頭に浮かぶが、現場に出

かけられず、過去に眺めた心の残像に頼っているのが現状。

犬山吟行、木曽川沿い

 

今回の「滴り」も、数年前に犬山吟行の際に城下を流れる

木曽川沿いの鵜船が停泊しする近くの崖に「滴り」を見つけ

句仲間が、暑さを忘れホット一息した所、、、、、、、

 

今日の1句

滴りの一粒ごとの光りかな      ヤギ爺