遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

山笑う

2020-03-16 16:09:45 | 日記

令和2年3月16日(月)

山笑ふ : 春の山

この処、数日於いて雨天となり、寒暖の差が

激しく、老骨の身には堪える、、、、。

政局も、新型コロナウイルスに振り回されて

国中が、イヤ世界中が混沌として居り、暖か

な春は中々見えそうもなく、、、、、。

多度山

 

今朝は雨が上がり、窓から遠くの山並みが

見渡せる。秋の様に澄んだ空ではないので

朧に霞む様ではあるが、、、

今朝はそれでも綺麗な青空の下、山裾まで、

くっきりと見えた。

 

伊吹山

 

春の山を「山笑う」という。

早春の山がうっすらと霞を纏い、艶めいて

来る事をいう。

同じように山を擬人化して、夏の山を「山

粧う」(よそおう)、冬の山「を「山眠る」

という。

生気が山に兆し始めた春の胎動を「笑」うと

捉えたものであり、花が咲き霞たなびく、春

盛んな山の形容ではない。

北宋の画家、郭熙(かくき)の「林泉高致」の

一節の「春山澹治(たんや)にして山笑ふが

如し」の言から出たものといわれている。

何れにしろ、未だ未だ季節は移ろいやすく、、

本格的な春の暖かさは今少し、、、、、、

養老線の多度駅の近く、、、

 

今日の1句

政局のしどろもどろに山笑ふ     ヤギ爺


初 蝶

2020-03-15 16:09:44 | 日記

令和2年3月15日(日)

初 蝶

蝶は、チョウ目の蛾以外の総称

二対の大きな翅、二本の触角、二個の大きな

複眼、螺旋状に巻いた長い口吻が目立つ。

しばしば美しいものの代名詞とされる様に、

翅は魚鱗粉と鱗毛による紋様が見事で、色彩

も鮮やかである。

殊に南方に生息するものは、原色が多い。

単、蝶と言えば「春の季語」で、紋白蝶、黄

蝶等の小型のものを連想する。

紋白蝶

紋黄蝶

 

揚羽蝶等の大型の蝶は、季語としては「夏蝶」

に含まれる。

初 蝶

美しくひらひらと視界を舞う蝶は、昆虫の中

でも目に付き易いものである。

春になり最初に目にする蝶を「初蝶」という。

大抵、紋白蝶や黄蝶などで、正に春の訪れそ

のものの様である。小型で可愛らしく、見る

者を初々しく、軽やかな気分にさせてくれる。

先日、吟行に出掛けた折りに、句仲間が初蝶

の句を詠まれたが、私は残念ながら目にする

事が出来なかった。

今日、久しぶりに港の埠頭公園を散策した。

隣接の水族館、ポートビルは休館となって

居り、港は閑散としていた。

小高い展望台に在る「マーメイド像」の周り

の花壇に、黄色の蝶を見つけた。

マーメイド像と花壇

 

黄蝶は飛ぶというより、ひらひらと風に漂っ

ている様で、、、、暫くして花壇の黄色の

花に留まり、ジッと動かなくなった、、、

今日の1句

初蝶に風のいたずら逆らえず    ヤギ爺

 

 


句会の中止

2020-03-14 16:26:13 | 日記

令和2年3月14日(土)

句会の中止

新型コロナウイルスの影響で予定していた行事

が、相次いで中止となった。

3月7日(土)に予定された「高校のクラス会」

は、中止となった。

クラス会の予定会場

 

2月27日に安倍総理の「全国小、中、高校の学校

閉鎖と、各種イベント、スポーツ競技等の自粛」

の要請があり、学校行事や各種スポーツ競技等

無観客試合若しくは、延期、中止。芸能などの

イベントの自粛、更には企業にはテレワークの

推進等々、、、外出を控え、旅行も止め、、、

様々な影響が出る。

我々個人にも自粛する空気が多くなった。

クラス会は年末から予定されていたが、幹事の

「御上の自粛要請が在る中、宴会は止めよう。」

本日(3月14日)予定されていた、潮路句会の

月例句会も中止となった。

大手コミュニテイセンター

 

こちらは名古屋市からの要請か、「市内に在る

コミュニテイセンターは当分の間、使用中止」

とのお達しである。この時期は年度末の為様々

な予定が在り、各町内、部会の年度総会、新旧

役員の引継ぎ等の恒例行事が中止となった。

また、この場を利用する各種教室やイベントも

当分の間控えるとの事。 (俳句も)

3月19日には、小学校の卒業式が予定される。

式典は行うが、卒業生とその父兄(1家族2名)

学校の先生のみ出席で、来賓(学区役員等)の

出席は認めない。ここ数年出席していたが、これ

ばかりは止むを得ない事。

4月6日に予定される入学式はどうなるのか、、

始業式はいつ?

日本中が、学校も企業も、スポーツや芸能関係も

更には、各家庭においても皆自粛ムード、、、

経済界は大打撃を受けている。

ここ最近、安倍内閣の不用意な言動(行動)が

目立ち、マスコミは挙って取り上げる。

「新型コロナウイルス感染対策本部」が立ち上げ

られ、対応はされるが総理始め各閣僚は浮足立ち

早々に会議を切り上げ、夜の会合(会食)へ、、

休校要請の後、初の総理記者会見は30分の短さ

記者の質問は、途中で遮り退席された。

会見は原文を読むだけで、国民への説明は一切な

しである。夜の会食(会合?)は大手新聞社社長

とは2時間。稲田朋美幹事長代行の誕生パーテイ

等々、、。他の先生方も、やれゴルフ、誰それの

誕生会、政治資金集めパーテイ等々、、、、

国会の場では、相も変らぬ大臣様の失言の数々、、

国民一人一人が、コロナ対策」のために懸命に自粛

をしている時、先生方もいま少し自粛されたい、、

 

今日の1句

喜べぬ水をさされし卒業子     ヤギ爺


蕗のじいって?

2020-03-13 11:18:01 | 日記

令和2年3月13日(金)

蕗のじい、蕗のしゅうとめ

蕗の薹の異称で、特に茎が伸び花が咲き

きったものをいう。

蕗の薹の「薹」は、野菜などの花茎が伸

びて固くなり、食用の時期を過ぎて、盛

りが過ぎてしまった事をいう。

この状態を人間に当てはめ、用いられる

様になった。

一方、「姑」(しゅうとめ)は、夫(妻)

の母親のことで、年を取り盛りを過ぎた

女性の事を言う。

これから、蕗の薹も人もどちらも食べ頃

(働き盛り)を過ぎたことの比喩として

表される。

そして、蕗がどんどん伸びて涸れそうな

姿、それを「蕗の爺」と見立てた。

こんな季語が在るのを全く知らなかった。

俳人の夏井いつきさんの「絶滅寸前季語

辞典」の中に「蕗のじい、蕗のしゅうと

め」の記述があり、面白く拝見した。

 

「蕗のじい、蕗のしゅうとめ」

蕗の薹の伸び切ったもの、

早春の吟行の楽しみの一つは春の季語探し

その年初めての「蕗の薹」を見つけたり

した日にゃあ、俳句仲間は「わあわあ」と

騒ぎ出す。が、然しそれにしても「蕗の薹」

のあの伸びすぎて30cm程にもなって、

これはひょっとすると蕗の薹ではないかも

しれぬと、疑ったりする様になった。

あの蕗の薹の事を「蕗のじい」だの「蕗の

しゅうとめ」だのと呼ぶとは知らなかった。

となれば、彼らにご挨拶句の一つずつも差し

上げるのが礼儀というものだが、こんな季語

に二句も捧げるなんてアホらしい。

一度一句で済ましてやれと、手抜きアイデア

に膝を打ったのも束の間、残りが五音しかな

いことに気が付き、立ち往生しているワタク

シである。

俳人の名句

蕗のしゅうとめに倒れて蕗のじい   夏井いつき

(夏井いつき著 : 絶滅寸前季語辞典より)

 

昨日、お隣より「蕗の薹」を頂いた。

ほんの少し、伸びすぎた物もあり、思わず

この「蕗の爺」を思い出した。

早速、沸騰した湯に蕗の薹を入れ塩を加え、

3分程茹で上げ、冷水に晒す。こうすると灰汁

がとれる。お浸しで頂くが若干苦みがあった。

春の香りがした。

 

今日の1句

蕗の爺ううむ苦さの更に増し    ヤギ爺


九年目の三月十一日

2020-03-12 15:43:27 | 日記

令和2年3月12日(木)

東日本大震災から9年

昨日、東日本大震災から9年目の朝を迎えた。

「新型コロナウイルス」の影響で、政府主催

の追悼式典は取止めとなり、各地でも中止や

規模の縮小を余儀なくされた。

東北の被災地の各地では、規模を縮小して追悼

を行い黙祷を捧げた。

宮城、南三陸沖震災記念公園

 

安倍総理は、官邸で形式的な献花式を行い、

挨拶(コメント)を発表した。

「震災から9年が経ち、被災地の復興は着実に

追行され、、、住まいの再建、復興の街作りは

概ね完了、、産業、生業も順調に進展し、、、

原発事故の福島の地も、期間困難区域の解除が

行われる等、復興、再生は新たなステージへ、

、、、世界各国からも多くの暖かいご支援を

頂きました。 復興五輪を機会に、復興しつつ

在る被災地の姿を実感していただきたい、、、」

残念ながら被災地の声は、必ずしも復興を感じて

居られぬ様である。五輪聖火ランナーのために、

ランが行われる短い空間だけが綺麗に整備され、

付近は立ち入り禁止のゲートが張られる。

表面だけを装い、、実態に近寄れず(見せない)

また、高台には住宅や、商店街は出来たが、未だ

多くの人達は帰還せず、、、帰っても仕事が無い

(基幹産業が無い)殆どのご近所達は,散りじり

となり友達もなく、帰らない、戻りたくない、、

福島の原発処理に至っては、未だに処理が出来ず

日に日に汚染水タンクが増え続け、既に満杯状態

である。遂には処理後の汚染水を海水中、大気へ

放出する案が最も有効とか、、、、

原発の廃炉処理は、建屋付近には防護服で出入り

可能の様だが、残留建屋内は作業困難の様、、、

破壊された建屋にやっと近づける程度とか、、、

この先の放射能廃棄物処理は一体どうする、、

何処も受け入れる自治体はない。膨大な時間と金

がどんどん消えてゆく、、、

処理後の汚染水の海中への放出は、地元の漁協

関係者は「やっと今、地元の魚が安全と認められ

た。海洋への放出をやったら、亦、風評被害が

でるヨ、、」と反対されている。

東電や政府が処理水が安全と仰るなら、この場所

でペットボトルにこの水を詰め、原発安全を言う

方々(原発推進派、原発再稼働の地元、政府関係

者、各電力会社等)へこれを配り、1日1リットル

1年間飲んでいただき、安全性を証明してから、

海中へ放出されてはどうですか、、、、

汚染水タンクはほぼ満杯(1週間にタンク1基分)

との事。これを実施すれば、タンクも減るし、

汚染水処理も心配ない。(処理飲料水販売も可

ブラック・ユーモア)

原子力発電は安価、安全、大気汚染の心配ないは

今、原発より火力他の電力でも十分賄え、大気汚

染濃度も今の方が良いとの統計がある。

原発が無くても、廃炉処理が十分な産業となる

(永久に基幹産業となり得ると言われている)

被災者の苦しみを忘れないでください。

今日の1句

春愁や原発問題進行形     ヤギ爺