日曜の毎日新聞に「昨日読んだ文庫」というコラムがあって、昨日はあるコラムニストがこんなことを書いていた。
文庫本の解説を頼まれて、何度か書いたことがある。
でも自分が解説を書いた文庫本は、本棚の奥の方に隠すようにしまいこんである。
うしろめたいというか余計なことをしたような気がするからだ。
粋な内容の後、巻末に「解説」なんて野暮なものを書いてしまったのは愚かしい。
粋というのは、余分なものをすべて洗い流してさっぱりすることなのに。
なるほど!きれいさっぱりすることが粋か! 俺は肉体的にも物質的にも余分なものがたくさんあるな。
これを書いたのは天野祐吉さん。
天野さんはこのコラムが世に出た頃、80歳で亡くなった。
この人の名刺。
余分なものを洗い流すとこうなる。