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佐渡市教育委員会に、図書館充実に関する申し入れに行ってきました

2015年03月04日 | 佐渡だいすきネタ
先月の2月18日、
佐渡市教育委員会に、図書館充実に関する申し入れに行ってきました。




教育委員長さん、社会教育課長さん、中央図書館館長さんというお三方を前に
緊張し通し、心臓バクバクの1時間でした。


今回の申し入れでは、
主に充実のための具体案を提案をさせてもらいました。

何かに対する「反対」ではなく、
より充実したものにしてほしいという「提案とお願い」です。

佐渡市は今後、地域の図書館、図書室を支所などにいれ、
佐渡市の職員さんに他業務と、図書業務を兼務する
といった
縮小計画の方向性は変えていませんが、
平成31年までの4年間は、現状のままでいくとのご回答でした。


「振興計画」をつくる中で、あらためて方向性を考えてほしい
と、今回申し入れを行いました。



度重なる申入れの中で、何度も縮小でなく、充実をお願いしてきましたが
私たちが言いたい「充実」とは何かを、
今回はより細部に渡って、お伝え、お願いしました。


改めて言うことではないのですが、
大きいものではないのです。

本の蔵書を増やしてほしい、とも
建物を大きくしてほしい、とも
幼児の専用スペースが欲しい、とも
廃止された読書関連サービスを復活してほしい、とも言いませんでした。

そこには色々な想いがありました。

細々したことを言っても、伝わらない。
問題はたくさんあるが、一度には叶えられない。
絞ろう
、と。

そんな考えの元、策定した『お願いしたいこと』はこの6項目でした。


1、経費削減の行革方針での地域の図書館•図書室の縮小計画をやめ、
すべての地域とひとが活用できる、より充実した図書政策の実施をお願いします。

2、市立図書館の指針には「子ども読書活動推進計画」の振興計画がありますがが、
次期のものを策定してください。
そして、子どもだけでなく、高齢者まで全体を考えた振興計画を策定してください。

3、現在の「子ども読書活動推進計画」の内容は、
現在の中央図書館人員体制では実現は不可能です。
佐渡全体の図書館活動をより豊なものにするためにも、人員体制の充実を検討してください。

4、図書館協議会を、市民の声が届きやすい、市民参加型の形にしてください。

5、地域の図書館•室の利用、発展のためにも、利用者をはじめ運営発展のための体制を検討してください。

6、上記のことについて、教育委員会として協議・検討してください。




「…」(もくもく)



佐渡市には、「佐渡市子ども読書活動推進計画」というものが存在します。

一言で解説するならば、
この5年間の間にこの推進計画に基づいて、
図書館がより充実したものになるよう努力するべき計画です。

(※民間団体が作ったものでなく、佐渡市が策定したものです。念のため)





5カ年計画で作られていて、今年でちょうど5年たちます。



この「読書活動推進計画」なるもの、
佐渡市が図書館•室の縮小を叫んでいるとは思えないほど
実に実に見事な内容!なのです!


もう本当にステキ!
こんな図書館が佐渡市にあったら、もう私らでる幕なんて全然なし!
文句なんて一言も言わない!
な内容です。



例えば、

•家庭において、子どもが本好きになるように環境を整えていく
•地域の図書館や図書室への積極的な利用の促進
妊婦や各年齢像の子どもと保護者を対象にした読み聞かせの実施
団体貸出し制度の活用
障害のある子どもたちにも参加できる催しの開催


などなど


子どもだけでなく、高齢者、お父さんお母さん、障害者、妊婦さんにまで
本が届くよう配慮される細心の心遣い!
司書さんだけでなく、保育士さんや教諭さんも巻き込んだ研修会の実施!
図書館という施設にとどまらない、あらゆる施設への本の貸出し!

うお~!と、思わず涙と共に叫びたくなる内容です。

これはほんの一例で、まだまだ何ページにも渡って、実施されたら素晴らしい項目が、
掲載されています。




なんていうの?
これらに羅列したものの中には昨今、削減されたサービスもあるので、
「推進計画というよりも…」
という気持ちもありますが…。



冷静に見てみましょう。


確かにこれらは全て、市民の希望かもしれないけれども
市民の希望全部を推敲せずに、ただ書いただけ?(笑)な感じがします。

できるできないも取捨選択して、盛り込まないと

理想論だけを書いた「絵に描いた餅」になってしまい、
次期の推進計画も、実行不可能なものになってしまいます

この点については、大きな反省を、行政さんには促したいです。
この推進計画、作るだけでもかなりの労働力であることが見てとれます。

計画を作ったら、是非実行への現実的な努力をしてほしい、のです。


そして実行不可能、無理な理由を「財政の理由」一点に
してしまうのも避けてほしい
ものです。


お金は「ない」わけじゃないんですもの。
少ないかもしれないけれども、「ない」わけではないです。
そして、「教育」にお金が削減されてしまうのは、
そこを「重要」と、役所の方々が認識していないから
と思うのです。
意見交換会での説明の言葉を借りるなら
「数字にあらわれないから、お金を要請しにくい」そうですから。


もちろん、そこに市民の「声が届いていなかった」ともいえますし、
そこは私たち市民ももっと声をあげないといけない、と素直に
反省するべき部分だと思います。







3番目の要望の
現在の「子ども読書活動推進計画」の内容は、現在の中央図書館人員体制では実現は不可能です。
佐渡全体の図書館活動をより豊かなものにするためにも、
人員体制の充実を検討してください。

についてはとても分かりやすいと思います。


本当の希望としては、
全部の図書館・図書室に専任司書さんを最低1人おいてほしいのですが
(佐渡にはほぼ無人の図書室が2つあり、
他の図書館の司書さんも臨時職員さんのみ。
専任司書さんは中央図書館の2人のみです)
それはこれまで、活動していく中で、「現状では無理」と判断しました。

それならば、
専任司書さんを1人だけ戻してもらいたい。

元々、中央図書館の専任司書さんは(佐渡市になる前は)3人でした。
それを戻してもらおう。

そうすることで、前に進めるのではないか、と考えました。
だって、どんなに知恵をしぼっても、人がいないことには無理、すべて無理。

それは、例えれば、
100人規模のバスに、2人しか乗れないミニカー分のガソリンしか入れないようなもので、
(動いてもすぐに止まる)
10年前のパソコンに最新型プログラムをインストールするようなものです。
(固まって動けない)


なんとか実行していただけたら、と強く思います。






今回の申し入れにおいて、
教育委員長さんから、何度も「市民から意見を聞く」と約束していただきました。



これらの約束は、本当に大きな獲得物であり、喜んだところです。


前回の申し入れでお願いした
「地域の図書館協議会的なものは作らない」と、
その場で明言(断られました)いただきましたが、
今回は
「任意団体であっても広く意見を聞く」と言っていただきました。

そして、その市民からの意見の聞き方も「オープンなものにしていく」
約束していただきました。

「意識がある人が、電話で問合せをしてみて、やっとわかる、というような形ではなく、
誰でもわかる配布物なり、回覧などにして、市民の意見を聞いてもらえますか?」
という問いに対し、
「そのようにする」と言っていただきました。


なんとしても!その意見をスポイルする場に参加しなくては、と思う次第です。




これは申し入れを終えた後の、私の個人的な感想であり意見ですが
意見交換会などで、市民から聞いた意見の中で、
「一番多かった意見」を順番に数であげて提示していただき、
そこを中心に実現してもらう
、ということはできないものでしょうか。


「多かった意見」は、ある種ひとつの「民意」です。
100の中の意見のうち、90を無視して、
10を尊重するのは、普通に不公平ですし、
2年前の市民の図書館に関する意見交換会でも、
民意を反映したものとは言い難いものだったと
私は認識しています。

まさに10の意見の尊重であり、90の意見の無視でした。



多い意見を、順番に叶えてほしい。
そのための意見、協議にしてほしい。
強く思う次第です。






今回、佐渡市の図書館事情が掲載された「母の友」を、一冊贈呈しました。
特に読んでいただきたい部分には、アンダーラインをひいた上で贈呈させてもらいました。

ジャーナリストさんの記事の
「図書館は、子ども達の、貧困の連鎖を生まないための、
セイフティーネット(安全網)であること」
「子どもの『居場所』であること」


には、赤でラインをひかせてもらいました。

日本の子どもの貧困レベルが世界の中でも、徐々にあがっています。
先進国の中で最下位に近くなっているのは、哀しいことです。

子どもを食い物にしたような経済形式や、凶悪事件が起こる中で、
図書館は子どもを守るための重要な位置づけをなしています。
「最後の砦」という言い方も決して大げさではありません。

そういう意味でも、「図書館の人員増員」は教育以外の役割でも重要だと認識しています。

事件がおこってからでは遅いのです。
予防は多いに超したことはないですし、むしろ現状は少なすぎるといえます。



「母の友」さんには、
今後も、この図書館問題については、継続して経過をお送りし、
佐渡に注目していただきたいと思っています。




教育委員長さん、社会教育課長さん、中央図書館館長さん、
忙しい時間の中を、時間を割いていただきありがとうございました。
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