都内の中堅メーカー、東京建電の営業一課で係長を務めている八角民夫(野村萬斎)。最低限のノルマしか
こなさず、会議も出席するだけという姿勢をトップセールスマンの課長・坂戸宣彦(片岡愛之助)から責め
られるが、意に介することなく気ままに過ごしていた。営業部長・北川誠(香川照之)による厳格な結果主義
のもとで部員たちが疲弊する中、突如として八角がパワハラで坂戸を訴え、彼に異動処分が下される。
そして常に2番手だった原島万二(及川光博)が新課長に着任する
期待しては居ましたがさすがは「半沢直樹」、「下町ロケット」の池井戸潤作品ですね。ドラマも
好きで見てはいますが・・・予告で香川照之さんが、「半沢直樹」ばりの濃い芝居を見せてるのが印象的
でしたが、やはり、その上を行く野村萬斎さんのクセが強すぎる演技が素晴らしい！！（好き嫌いの問題？）
野村萬斎さん、好きですね～「のぼうの城」最高でした！！ おっと～話がそれた・・・
序盤から能楽師と歌舞伎役者の戦い勃発。香川照之さんも歌舞伎の人ですが、先ずは愛之助です。いやぁ～～
パワハラがやたら叫ばれる昨今だからこそ、余計に響きます。あの程度でブラックとは言わないかも？ですが
きっとあんな感じの会社はいっぱいあるでしょう・・・。だからこそ、萬斎さん演じる八角（やすみ）がヒーロー
に見えて来るんでしょうね。直属の上司の課長を屁とも思わないどころか、その課長が震え上がる部長を前に
してもぐうたら・・・だけど、咎められず、それどころか八角を攻めた人物は返り討ちに合う。
時代劇に例えれば金さんや暴れん坊将軍か？って感じだ。普段のぐうたらは仮の姿で、その本性は・・・みたいな。
実際に過去も含めて伝説級の男なのだが、そんな男がここに来て暗躍してるっぽい案件とは？？
という企業ミステリー要素が引っ張っていく。強烈なキャラ、それを演じる豪華なキャストだけでもお腹一杯
になる。萬斎さんのあの演技は素晴らしい。萬斎さんじゃなきゃ成立しない役だと思います。香川さんの顔芸は
シリーズの代名詞のようなもんだし、こんなとこに土屋太鳳さん・小泉孝太郎さん・溝端淳平さん・役所浩二さん
と、ワンシーンだけなのに妙に豪華過ぎる程の役者さん達・・密かにオリラジの藤森さんがクズすぎて良かった（笑）
そんなクズを返り討ちにしてくれるから痛快だ。 そして初めに引かれた伏線もどんどん回収していくと本映画
最大のテーマ「捏造、改ざん、ウソ」まさに今の政権そのものじゃないですか。日本の一企業の問題では決してなく
国全体、まさに今の日本そのものを痛烈に皮肉った良作でした。
最後の野村さんのセリフが現実ではないか
と個人的に思った。「 不正は無くならない」という10人が10人言いそうな当たり前のことを・・・・ ☆☆☆☆