落ち目の俳優とそのスタントマンの2人の友情と絆を軸に、1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描いた作品
テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトンと、リックを支える付き人
でスタントマンのクリス・ブース。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり
減らすリックと、いつも自分らしさを失わないクリフは対照的だったが、2人は固い友情で結ばれていた。
最近、リックの暮らす家の隣には、「ローズマリーの赤ちゃん」などを手がけて一躍時代の寵児となった気鋭の
映画監督ロマン・ポランスキーと、その妻で新進女優のシャロン・テートが引っ越してきていた。
今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、自分も俳優として再び輝くため、イタリア
でマカロニ・ウエスタン映画に出演することを決意する。1969年8月彼らの人生を巻き込み、ある事件が発生する。
観終わってからしばらくは、この映画は何を描こうとしたのか考えてしまう。これといったストーリーもなく
描かれるのはリックとクリフのコンビをはじめ、ハリウッドに生きる人々の日常の営みだけを描いている
ラストの事件が一つの主題になっているがのですが、タランティーノは自分の考える正義を実現したかったのか？と
思う。シャロンテートは今日、悲劇の人物としてしか認識されていないが、彼女の女優としての日常生活に光を当てる
ことで1969年当時のハリウッドに光を当てたかったのかもと解釈しました。スティーブマックイーンやブルースリーが
少し戯画化されて出てくるのも面白いですし、誰もが不安や葛藤を抱えながらも生き生きとしている所も良い
当時の街並みの再現や、映画製作の現場の念入りなシーンにはノスタルジックな強い映画愛を感じます。
本当に当時の映画のデジタルリマスターでは無いかと錯覚してしまう程・・レオナルドディカプリオとブラッドピット
という二大スターの競演も、今は遠い昔のこととしてしか語たられないハリウッドの光と影を描くのに最適な配役だと
思えてしまいますね 
シャロンテート事件についてウィキペディアで調べてから観ると作品理解の点でより深みが感じられる作品ですよ ☆☆☆☆