部下に厳しく、犯人逮捕のためなら手段を問わない捜査一課のベテラン刑事・成瀬司
高齢者を狙ったアポ電強盗事件を捜査する中で、令状も取らず強引な捜査を繰り返した
結果、広報課内の音楽隊への異動を言い渡されてしまう。不本意ながらも音楽隊を
訪れる成瀬だったが、そこにいたのは覇気のない隊員ばかりで……。
昭和感漂う熱血刑事・・・阿部寛さん演じる成瀬が強引な捜査を続け、ある告発により
音楽隊に移動させられるストーリーだが・・・意外とでした
阿部寛さん演ずる猛烈パワハラ鬼刑事「成瀬」が、警察音楽隊に飛ばされて繰り広げ
られるドタバタコメディと思って観に行きました コメディ要素は10%もない程度で
ヒューマンドラマと刑事ドラマの部分が大半を占める内容です。良かったと思ったのは
認知症が進んでしまい、既に亡くなってしまった夫や成瀬の別れた妻の事をいつまでも
待っている成瀬の母親の姿と、音楽隊に異動になって居るにも関わらず刑事時代の感覚
で捜査会議に出ようとする成瀬の姿が完全にオーバーラップして切なさを高めて居る所
このシーンは前半の山場でした。 又、成瀬の母親を倍賞美津子が演じていた事。
こうした役柄を完璧にこなす彼女の演技力は素晴らしいなと、更に音楽隊の演奏シーン
は、全て役者さん達が自ら行った物との事で、その点も感心しました。
阿部寛さんのドラムは様になっていたし、清野菜名さんのトランペットも上手でした。
この演奏シーンこそ、本作最大の見せ場と言っていいと思います。 一方で、大半が兼務
で、嫌々やっている音楽隊員達が、当初喧嘩ばかりでバラバラだったのに、成瀬の加入
や解散話がカンフル剤となって一致団結する所は、本作の面白い部分であると同時に
スポ根青春漫画チックで一寸ね・・・?それと、事件解決に至る過程がかなり端折られ
過ぎていて、かつ犯人逮捕のシーンに合理性が欠けていて欲求不満に陥る点は刑事ドラマ
としての締めくくりは正直少し??そこはまぁ~良いのかな?
何処かの番組の番宣で出演された阿部寛さんが「機会があればドラムを買いたい」と
仰っていましたが、あれだけ叩ければ面白くなるでしょうね 納得です ☆☆☆☆