7年間も密室に監禁された女性が、そこで生まれ育った5歳の息子(ジャック)のため命懸けで脱出に挑み、長い間世間から隔絶されていた彼らが社会に
適応していく過程を描いている作品。 上映されてしばらくは一つの部屋の中でだけの親子の生活が続き「どんな展開になるんだ?」と考える
部屋の外はテレビでしか知らないジャック、小さな部屋が世界の全てだと思って育った、母親(ジョイ)は外の世界を教えなかったのだがそれは母としての
愛なのだということが良くわかる(後半への巧みな布石)。そんな生活の中ジャックは5歳になっていた・・・・ここからの流れが一気に変わり少しサスペンス風
脱出劇前半の息詰まるサスペンスも良いのですが、一転後半の小さな部屋がすべてだった少年が大きな世界を受け容れることが出来るかどうか、失われ
た7年のトラウマをジョイはどう克服するのか、ジャックの初めて知った本当の世界とは・・・・そこに主眼が置かれていると思います
かつてなら、衝撃的な内容です、しかし今、アメリカでも日本でも度々起きる事件になっている様な気がします。
残酷な映画であるにもかかわらず、節度のある描き方、それが後半の出来を支えていると思います。 そんな月並みな感想は置いておいたとしても、俳優
陣たちの表情豊かな演技に引き込まれる2時間でした。
7年間で人生がマイナスになってしまった母とマイナスの場所から
生まれた子、そんな二人が最後に、あの部屋(ルーム)にお別れをする事でやっとゼロに戻り、そして生きていく、そんな作品だと感じました。 ★★★★
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