今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

お菓子の日

2007-06-15 | 記念日
毎月15日は、「お菓子の日」。全国菓子工業組合連合会(全菓連)が1981(昭和56)年に制定。
その由来は、お菓子の神様(菓祖神)を祀った例大祭が15日に行われていた故事にちなんだもので、お菓子の神社としては、兵庫県豊岡市・中嶋神社、和歌山県下津町・橘本(きつもと)神社に祀られており、分霊が太宰府天満宮(福岡県太宰府市)、吉田神社(京都市)など全国に祀られており、菓子業者の信仰を集めているそうだ。現在、中嶋神社(ここ参照)では4月第3日曜日、橘本神社(ここ参照)では4月3日にそれぞれ例祭を行っている。お菓子の日を決めた昭和56年当時、この例大祭が4月15日に執り行われていたことにちなんで毎月15日をお菓子の日と定めたそうだ。毎月15日には、イベントが実施されているかどうかについては、各販売店・メーカーに任されているそうだ。(以下、参考の『スイーツ雑学・豆知識「お菓子の日」』より)
ここで言うお菓子の神様(菓祖神)とは、日本神話に出てくる菓子タヂマモリのことで、日本書紀では田道間守と表記され、古事記では多遅麻毛理と表記されてる。
田道間守は新羅から渡ってきたアメノヒボコ(天日槍)の曾孫である。11代垂仁天皇の命により、非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)を求めて常世(祖先の国である新羅のこととも)に渡った。10年かかって葉附きの枝と果実附きの枝を持ち帰ってきたが、垂仁天皇はすでに亡くなっていた。タヂマモリは半分を垂仁天皇の皇后に献上し、残りを垂仁天皇の御陵に捧げ、悲しみのあまり泣き叫びながら亡くなったという。タヂマモリが持ち帰った「非時の香菓」は、記紀では現在ののこととしている。
このことは、以下参考に記載の「私本日本書紀」の以下のところに詳しく書いてある。 
記紀巻6、出石の刀子 →http://www.loops.jp/~asukaclub/syoki/syoki044.html
当時「菓」といえば果物のことであったが、この説話からタヂマモリは菓子の神「菓祖」として信仰されている。
異界に果物や薬草を求めに行く話は世界各地に伝わるもので、この説話は中国の神仙譚の影響を受けていると考えられる。(神仙譚について以下参考に記載の「杜子春の世界へ11【神仙世界】」参照)。
例えば徐福蓬莱に不老不死の薬を求めに行く話がある。
アメノヒボコ(天日槍)は、の曾孫が、菓子の神とされるタヂマモリ(多遅摩毛理、田道間守)であり、次ぎの代の多遅摩比多詞の娘が息長帯比売命(神功皇后)の母、葛城高額比売命である。
なお、新羅の王子といわれるアメノヒボコ(天日槍)は、新羅の王家朴氏、昔氏、との関連の可能性があるとする説もあるそうだ。
兵庫県は、本州の両端である青森県や山口県を除くと本州で唯一、北は日本海、南は瀬戸内海に面している。菓子の神として祀られている中嶋神社のある豊岡市は兵庫県北部(但馬地域)に位置する市であり、2005(平成17)年に、周辺の城崎郡城崎町・竹野町・日高町、出石郡出石町・但東町と対等合併し、兵庫県で面積が一番大きい市となっている。
『日本書紀』では、垂仁天皇3年春3月にアメノヒボコが”神宝、羽太の玉、足高の玉、赤石、刀、矛、鏡、熊の神籬の7種”を持参し渡来した。また、播磨国、近江国、若狭国を経て但馬国の出石に至り、そこに定住して現地(出石)の娘・麻多烏(またお、俣尾とも)と結婚したとしている。これらの神宝は太陽神を祀る呪具であり、朝鮮からの渡来民が使っていた太陽神を祀る祭具と考えられるそうだ。「ヒボコ」という名前自体が太陽神を祀る祭儀で使われる矛を表しており、それは太陽神の依り代である。またここで登場する国は渡来系の人々の影響の強い土地である。『古事記』によればアメノヒボコのもって来たとされる神宝の名前は違うが”、珠が2つ、浪振比礼(ひれ)、浪切比礼、風振比礼、風切比礼、奥津鏡、辺津鏡の八種”とあり、これらは現在、豊岡市出石町の出石神社にアメノヒボコとともに祀られているそうだ。(以下参考に記載の出石神社参照)
菓子のルーツをも見ると、紀元前2200年頃の古代メソポタミア新シュメール時代、マリ王朝の宮殿跡から「うずくまるライオン」の菓子型が出土しており、また、「楔(くさび)形文字」にはマリ王朝に「メルスの製造者」という職業があり、「メルス」は練った生地にピスタチオナツメヤシ・干しイチジク・干しブドウなどの果物や木の実、それに蜂蜜や香辛料を混ぜ込んで焼き上げたものだと書かれており、これが現代の焼き菓子につながるものだとも考えられているそうだ。
紀元前・大和時代、まだ日本に大陸文化が伝わる前、田道間守が、常世の国(遥か海の彼方にあると想定した国)から不老不死の妙薬として持ち帰った「橘の実」がもたらした果実の甘さが菓子の起源となったとされており、果実や木の実などを総称して「くだもの」と呼んでいた。やがて漢字が伝来し「くだもの」に「菓子」あるいは「果子」の字があてられるようになったと言われている。その後、奈良時代から平安時代にかけて中国から穀類を粉にして加工する製法の食品が伝わり、これが唐から来たお菓子「唐菓子」と呼ばれるようになった。
果実とは全く異なる加工された食品ではあるが、嗜好品としては果実同様であるとして「くだもの」と分類されたのではないかと考えられているそうだ。
続いて、室町時代から安土桃山時代にかけて茶道の隆盛に伴い、点心としての菓子が求められはじめた。中国では肉類を用いて作られている羊羹饅頭がもたらされたが、日本では仏教の影響下、肉類ではなく小豆や豆類など植物性の素材に置き換えて作られるようになった。これが後に、和菓子の方向性を決定したと考えられているそうだ。そういえば、6月16日は、「和菓子の日」このことは前にこのブログで書いたので、興味なる人は見てください。
和菓子の日→http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/e7cd197e5ac26a838a16904cba1e1a6e
そして、明治維新以後、ビスケットなど数々の洋菓子が輸入され、日本の菓子文化に大きな影響を与えることになった。詳しくは以下参考に記載の全国菓子工業組合連合会のお菓子何でも情報館 のお菓子の歴史参照。
お菓子の歴史 → http://www.zenkaren.net/history/index.html
また、兵庫県豊岡市・中嶋神社のもう一つお菓子の神様と謂れの深い神社である和歌山下津町・橘本(きつもと)神社のことについては、以下が詳しい。
神奈備・熊野古道、紀伊路の王子社 和歌山県編 「橘本神社 きつもと」
http://kamnavi.jp/ki/city/tatibana.htm
なお余談であるが、日本の奈良時代から平安時代に繁栄した貴族、に橘(たちばな)氏がある。いわゆる源・平・藤・橘の四姓の一つであり、公卿に成ることの出来る名門の姓の一つとされている。記紀には日本武尊の妃であった弟橘比売(おとたちばなひめ)の名が見られるように、人名としての橘もこの時代から見られる。ヤマトタケル(日本武尊)の母は播磨稲日大郎姫(はりまのいなびのおおいらつめ)。この人名の橘もなんらかの関係が有るのであろう。以下参照。
橘について
http://members.edogawa.home.ne.jp/tatibanaya/sub1.html
大伴家持も記紀の伝説を踏まえて【橘の歌】
「田道間守常世(とこよ)にわたり やほこ(八矛)もち まゐで(参出)こしとき 」を詠んでいる。
他にも『万葉集』には、橘を題材の歌が多く見られる。以下参照。
たちばな (橘)
http://www2.mmc.atomi.ac.jp/web01/Flower%20Information%20by%20Vps/Flower%20Albumn/ch2-trees/tachibana.htm
(画像は、ニホンタチバナ)
参考:
菓子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%93%E5%AD%90
お菓子何でも情報館 - 全国菓子工業組合連合会(全菓連)
http://www.zenkaren.net/
電子じばさん館・菓子の館
http://himeji.jibasan.jp/kashi/index.html
中嶋神社 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B6%8B%E7%A5%9E%E7%A4%BE
神奈備・熊野古道、紀伊路の王子社 和歌山県編 「橘本神社 きつもと」
http://kamnavi.jp/ki/city/tatibana.htm
スイーツ雑学・豆知識「お菓子の日」
http://www.betsubara.net/knowledge/knowledge003.html
海運!全国神社仏閣ガイド
http://www.kaiun-goriyaku.com/index.htm#1
私本日本書紀 目 次
http://www.loops.jp/~asukaclub/syoki.html
杜子春の世界へ11(神仙世界)
http://kintaro2-2001.hp.infoseek.co.jp/zui11.htm
出石神社
http://www.norichan.jp/jinja/benkyou/izushi.htm
たちばな (橘) 
http://www2.mmc.atomi.ac.jp/web01/Flower%20Information%20by%20Vps/Flower%20Albumn/ch2-trees/tachibana.htm
橘について
http://members.edogawa.home.ne.jp/tatibanaya/sub1.html
記紀 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%98%E7%B4%80
橘氏 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%98%E6%B0%8F