大根引き大根で道を教えけり
小林一茶
半紙
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大根を引いている農夫に道を聞いたら
大根で道を教えてくれた、という単純な句。
でも、よく考えると実に深い。
「大根引き」は、いわば大根のプロ。
大根のことなら何でも知っている。
その人に「道」を聞いた、つまり、「どう生きればいいか」を聞いた。
そうしたら、その「大根」で答えてくれた。
「この大根のように生きろ」あるいは、「答えはこの大根の中にあるぞ」とか。
勝手な解釈ですが、こんなふうに読むとおもしろい。
大根の絵のなかに、矢印を書いてみたのも、何の気なしにですが
「大根」のなかに「方向=生き方」が「ある」みたいな感じになっているかもしれません。