山本洋三「少年の森」より
半紙
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全文は以下の通りです。
少年の森
澄んだ空の瞳が
下草のみどりに沈む巻貝たちを
覗きこむ 秋
樹液に濡れた
少年の首筋を
はげしく鞭打つ
白い思想
風は豹のように木の間を走り
少年の透きとおる体を
青銅の扉に
導く
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「空の瞳」の「瞳」が抜けてしまいました。
ま、いいや、っていえるのが、自分の詩の強み。
この詩も、「作りすぎ」感満載ですが
1996年に作った小詩集「少年の森」所収。
この後、矢継ぎ早に小詩集を作るつもりだったのに
なぜかやめてしまい、そのまま詩を書かなくなりました。
思えば、ぼくの人生とは
「途中でやめたこと」の堆積みたいなもんです。
こうやって「一日一書」や「100のエッセイ」がえんえんと続いてるのが
むしろ例外なのです。
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もう1点。
横バージョン。