佐藤春夫「少年の日」より
全紙2枚
野ゆき山ゆき海邊ゆき
眞ひるの丘べ花を藉き
つぶら瞳の君ゆゑに
うれひは青し空よりも。
影おほき林をたどり
夢ふかき瞳を戀ひ
なやましき眞晝の丘べ
さしぐまる、赤き花にも。
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2015年 第55回現日書展に出品しました。
会場で、表装された自分の作品を目にしたとき
「ダメだ、こりゃ!」ってガックリくるときと
「お、案外いいじゃん。」と思えるときがあります。
今回は、どちらかというと後者でした。
もっとダメかと思っていたのですが、思っていたほど悪くない。
やっぱり師匠の表装のセンスゆえでしょう。
(自分で表装も考えなければいけないのですが、まだ師匠まかせです。)
こんな感じで展示されているわけですが
まわりの作品がみな濃墨で力強いのに対して、
なんともはや、女性的。
制作中は、かなり「力強く」書いていたつもりなのですが
やっぱり、ぼくは本質的に「ひよわ」みたいです。
ま、これはこれで今更どうしようもないのですが
この「枠」をどうぶち破るかを考えないといけないなあとも思いました。